2025年全日本ロードレース最終戦鈴鹿の2日目はART合同走行。先日と同じ時間帯に30分間の走行が2回行われた。朝9:35からの1本目。涼しい時間帯に浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)がいきなり2分5秒台に入れて周囲の度肝を抜く。その後も5秒台を連発、そしてついに4秒台に入れた。最終周に2’04.763をマークした。
浦本修充:鈴鹿8耐からビックリするくらいマシンが速くなっています
「スプリント仕様のマシンで鈴鹿を走るのは初めてで、ビックリするくらい速くなっていて最初は戸惑いました。燃調を絞らずフルパワーですし気候的にもエンジンが回る季節なのでバイクはもの凄く速いです。そのためブレーキングポイントや走り方などアジャストする必要があったのですが鈴鹿8耐の経験があったので走り出しからいいペースで走れました。タイム的にも悪く無いと思います。」
これだけ速いと乗っていて気持ちいのではないかと問うと「結構キツイです」と意外な答え。「やはり2分5秒前半でラップすると圧倒的な速度行きと加減速で体力を消耗します。2本目の走行で周りもタイムを上げてきているのでそこに飲み込まれないように明日もしっかりと走りたいと思います」
2番手には野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)1本目の2’06.438から2本目には2’05.437と約1秒タイムを詰めてきた。
野左根航汰:想定しているタイムは出せましたが、、という感じです
「前戦からバイクやエンジンの仕様をアップデートされたのですが、昨日はその違いに戸惑ってしまい初日の時間を有効的に使えませんでした。今日はいろいろ試していく中でタイムを上げることができましたが、周りも上げてきていますし浦本選手がアタマひとつ抜け出しているので自分のライディングも含め改善点はまだたくさんあると思います。集中して明日に備えたいと思います」
「タイヤの選択で悩みますね。前戦岡山での反省を基に今日は着替えて試したのですが、どちらも一長一短があり、自分の好みのタイヤで行きたいところですが決め手に欠ける感じです。明日は雨予報ですが、ドライでもウェットでもどちらでも行ける準備はしっかりとできています。」
3番手は岩田悟(Team ATJ)午前中に出したタイム2’05.782。
岩田悟:単独で2分5秒7出せたのは進化を実感しています
「去年は水野選手の後ろについてスリップをもらったりして2’04.513をマークしましたが今年は単独で2’05.782を出せたのは成長して帰って来れたかな、と感じています。
初日の昨日は鈴鹿8耐仕様の車体とオートポリスで仕上がったマシンのどちらで行こうか比べながらの走行となりました。タイヤはずっとユーズド、今朝の1本目にニュータイヤを投入しました」
「午後に少し硬めのタイヤを試したのですが今ひとつ機能せずタイムが伸びませんでした。今回から少し柔らかめのタイヤを試したのですがウォームアップ性を含めこのコンディションだったらうまく機能させれば勝負できると思います」
4番手は津田拓也(Team SUZUKI CN CHALLENGE)2’05.839。初日の昨日はカーボンニュートラル素材のパーツテストを行った。タイムを詰める訳ではなく本来の目的であるパーツ開発メニューに費やした。
「我々の目的はサスティナブルなレース活動を目指してより高いレベルで鈴鹿8耐を戦うことなので、パーツ開発も重要な役割です。来年に向けて今から準備をしないといざ本番、なった時に間に合いませんでしたでは済まされません。」
「マシンも鈴鹿8耐と同じ仕様ですので、このマシンにライト類の保安部品を付けたら鈴鹿8耐に出られます。もちろん燃調は絞ってませんがスイングアームやブレーキ・スプロケなど耐久性に富んだパーツを使用しています」
車重的には若干不利になるがそれでもこのタイムは津田とチームが開発を進めてきた成果だろう。
5番手は水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)2’05.873
SUGO事前テストで負った両肩骨折がやっと治ってきたと思った矢先、2週間前にアジアロード選手権にワイルドカード参戦した際に激しくハイサイド転倒を喫し身体が心配されたが痛みは無いというので安心した。
「今週は先ず身体の確認から入りました。走ってみて全く痛みを感じないのでそこは非常にポジティブです。但、思ったよりもいつものフィーリングが感じられず、セットアップをいろいろ変えて少しずつ良くなってきていますが、これまで見せてきたドゥカティのスピードが出ていません。マシンにトラブルがある訳ではなく単純に遅い感じです」
「それでも昨日から今日にかけてワンステップ進めた実感はあります。タイムも昨日から約2秒上がっていますし。方向的には間違っていないので引き続き詰めのセットアップを行います。昨年ここで2連勝を飾っているので今年も連勝を飾りたいですね」
昨日転倒した中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)は1本目を欠場、2本目を走行したが2’07.841の12番手。中須賀がトップ10に入らないとは相当身体が痛いのでは無いかと想像できる。ファンとしては走る姿を見てみたいが身体が一番。くれぐれも無理はしないでほしい。
明日は公式予選と決勝レース1が行われる。決勝の予報は雨。どんなレース展開になるのだろうか。。
全日本ロードレース第7戦 第57回 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿 ART合同走行上位10位は以下の通り
1:#31浦本 修充 AutoRace Ube Racing Team 2’04.763
2:#4野左根 航汰 Astemo Pro Honda SI Racing 2’05.437
3:#8岩田 悟 Team ATJ 2’05.782
4:#7津田 拓也 Team SUZUKI CN CHALLENGE 2’05.839
5:#3水野 涼 DUCATI Team KAGAYAMA 2’05.873
6:#14 日浦大治朗 Honda Dream RT SAKURAI HONDA 2’06.080
7:#10長島 哲太 DUNLOP Racing Team with YAHAGI 2’06.712
8:#16渥美 心 YOSHIMURA SERT Motul 2’07.035
9:#46阿部 恵斗 SDG Team HARC-PRO. Honda 2’07.147
10:#13児玉 勇太 Team Kodama 2’07.153
Photo & text:Toshiyuki KOMAI

























