同じ轍は踏まない。中須賀克行の戦略勝ち。2位:岡本裕生、3位:水野涼!

2024/04/15

全日本ロードレース第2戦SUPERBIKE. RACE in MOTEGI 決勝レース2。好天気で気温も路面温度もこのウィークで一番高くなった。前日のレース1より5周多い20周。タイヤマネジメントが鍵となる。昨日の予選・決勝レース1で速さを見せた水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)が最高峰クラス初のポールポジションからのスタート、注目が集まるレース2は14:05にスタート!

ホールショットは中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が奪い、水野、野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)、岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM2)と続く。3コーナー進入では横一線に並び岡本が抜け出す。長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)も先頭グループに加わり3番手で4コーナーを立ち上がる。5コーナー進入で野左根がトップに立ち、そのままオープニングラップを制する。岡本、中須賀、水野、長島、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)と続く。

ウォームアップ性の良いダンロップタイヤの長島がアグレッシブに攻める。3コーナー進入では前後タイヤを揺らしながらレイトブレーキで水野のインを突くもオーバースピード、続くS字で津田がインに飛び込んでくるが引かない。並んだままV字進入まで並走、場内を沸かす。

3周目の1コーナーで秋吉耕佑(MurayamaUnso.Team AKIYOSHI)と新庄雅浩(Team TATARA aprilia)が接触転倒、マシンが炎上したため赤旗中断となる。

約20分の中断後、14:35に減算無し20周のリスタートとアナウンスされた。仕切り直しの再スタート、ホールショットは再び中須賀が奪う。野左根もスタートを決めて2番手で1コーナーに進入、岡本も続く。3コーナーでは長島が4番手に浮上、ポールポジションの水野はスタートで出遅れ6番手。

オープニングラップは中須賀が制する。以下、岡本、野左根、水野、長島、津田、名越哲平(SDG Honda Racing)、高橋巧(日本郵便Honda Dream TP)、岩田悟(Team ATJ)、伊藤和樹(Honda Dream RT桜井ホンダ)の上位10台。

 

「レース1はわちゃわちゃと絡まれてあたふたしてしまいました。リズムが崩れて自分のペースが作れないよりは、最初から前に出て自分のペースで走る作戦で行きました。その方がタイヤの温存もできますので」と同じ轍を踏まない戦略に出た中須賀。これが功を奏する。

「気温も路面温度も昨日より上がりコンディションがかなり変わっていたので路面のフィーリングも違いました。だからペースを上げられなかったです」と言うが、1周目から1分47秒台に入れるハイペースを刻む。

これについていったのが岡本。1周目に1分47秒760のファステストラップを刻む。その後も47秒台をキープ。ヤマハファクトリーの2台だけが47秒台でラップを続ける。

昨日は47秒台でラップ、中須賀との一騎打ちを演じた水野のペースが上がらない。48秒前半。トップ2台との差が開いていく。

「昨日のレースは、アベレージタイムは自分が持っていたと思います。終盤に中須賀さんがコンマ5秒上げてもついていけましたが、追い抜くまでの余力が無かった。それは自分の負け。だからレース2では自分に足りなかった部分を調整して挑んだのですがペースを上げられず本来のレースができませんでした」

マシントラブルでは無いと言う。チームのメカニックたちも一様に「データが無い」と口を揃える。「こう言う状況・コンディションの時はこうなる、と誰も予想できません」恐らく予想以上に上がった気温・路面温度に完璧に対応できなかったのではないか。

トップを走る中須賀。序盤から47秒台でラップしつつタイヤマネジメントをしていたそうだ。「もちろん考えながら走っています。アクセルワーク、バンク角度の付け方、ブレーキの強さなど、昨日より5周多いのでタイヤを温存させながら走ることが大切でした」

だが後ろから100分の数秒差で岡本がついてくる。「心理戦でした」その言葉通り岡本との我慢比べとなった。「裕生の心がいつ折れるだろうかと考えながら走っていました」

追う岡本。中須賀とほぼ同じタイムで周回するも前に出ることができない、「怪我の功名なのですかね。中須賀さんの走りが変わりました。強くないブレーキからコーナリング速度を上げて曲がっていました。自分は加速からストレートの区間で追いついていたのですが今日はそれができませんでした」

「自分はコーナリング中に寝ている時間が長いのでその分タイヤに負担がかかるのですが中須賀さんはタイヤの保たせ方がすごく上手です。結果的にタイヤが無くなってしまい終盤には差が開いてしまいました」

このウィーク、岡本の流れが良くなかった。金曜日にトラブルが出て本来やるべきことができず「一日遅れている」状態で決勝に臨んだ。このクラスになると1日の遅れは致命傷になりかねない。

中須賀は一度もトップを譲ることなく今季3勝目を飾る。

「岡本選手がずっと同じペースでついてきたのでミスしたら終わりだ、と思っていました。ワンミスですぐに順位は変わりますからね。中盤以降仕掛けてこなかったのでお互いいっぱいいっぱいなんだな、と確認できました。最後までミスなく粘りの走りができたことが勝因だと思います」

2位には悔しい岡本。

「レース1もレース2も勝てなくて悔しいです。ですがタイヤが無くなった状態でもあそこまでついていけたのは良かったと思います。チームがここまでマシンを仕上げてくれてことに感謝です。次戦は得意とするSUGOなので今回の結果をしっかりと分析して再び勝てるように頑張ります」

3位は同じく悔しい水野。

「今日のレースが自分たちの立ち位置・実力だとは思っていません。自分たちにはデータが無い、そんな状況の中での開幕戦、そして昨日のレース1。その戦いは実績として残るし自分たちのポテンシャルの高さだと思っています。だから今日の結果をしっかりと分析してデータを蓄積していきます。そう言う意味では転倒せず完走できたことは収穫だと思っています」

「おかげ様で現在自分たちは注目されています。勝たなくてはいけない状況の中で注目されているうちに結果を残したいです。そこに気持ちを高めながら臨んでいきたいと思います」

と最後は前向きなコメントをもらった。

海外メーカーのファクトリーマシン参戦、ダンロップファクトリー:長島哲太の参戦、高橋巧、野左根航汰の日本復帰、今年の全日本ロードは確実に面白くなっているし見応え満載である。そしてなにより全体のレベルが上がっている。それは中須賀も認めるところだ。「レースアベレージが1秒上がるってとんでもないことですよ。確実にレベルは上がっています。だから自分もしっかりと準備して負けないようにします」


全日本ロードレース第2戦SUPERBIKE. RACE in MOTEGI 決勝レース1 上位10位の結果は以下の通り

1:#1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2:#2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2
3:#3 水野涼 DUCATI Team KAGAYAMA
4:#6 津田拓也 AutoRace Ube Racing Team
5:#32 野左根航汰 Astemo Honda Dream SI Racing
6:#30 長島哲太 DUNLOP Racing Team with YAHAGI
7:#33 高橋 巧 日本郵便Honda Dream TP
8:#4 名越哲平 SDG Honda Racing
9:#9 伊藤和輝 Honda Dream RT桜井ホンダ
10:#10 岩田悟 Team ATJ

Photo & text:Toshiyuki KOMAI