岡本裕生、悔しさ晴らす今季初優勝!2位:水野涼、3位:中須賀克行

2024/05/27

「同じ失敗はしない」。岡本裕生が今季初優勝!強い意志が見られたレース2だった。2位には水野涼。水野もレース1とは内容が違い、今後に繋がるレースとなった。3位は中須賀克行(。岡本の勢いを止められず我慢のレースであった。

このレースウィーク、岡本のタイムを上回るものは誰もおらず圧倒的な速さを見せていた。予選では2番手の水野(DUCATI Team KAGAYAMA)にコンマ5秒差をつけてコースレコードを破る。「コースが短いSUGOのコンマ5秒差は挽回不可能なほど大きな差です」とライダーたちは口を揃える。

それほど速かった岡本だがレース1では自分の走りをさせてもらえず悔しい2位。レース2では序盤からトップに立ち逃げ切りたい。他方、中須賀YAMAHA FACTORY RACING TEAM)や水野たちはレース1同様に岡本を前に出させたくない。思惑と駆け引きが錯綜する中、22周のレース2がスタート!

ホールショットは岡本が奪う。水野、野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)、中須賀と続いて2コーナーを立ち上がる。オープニングラップの馬の背、水野が岡本のインを刺してトップを奪うとオープニングラップを制する。

しかし10%勾配を上り切りホームストレートをウィリーで駆け抜けた岡本はその勢いで1コーナーで水野のインに飛び込みトップを奪い返す。

岡本、水野、中須賀、野左根、高橋巧(日本郵便Honda Dream TP)、長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)、伊藤和輝(Honda Dream RT桜井ホンダ)、岩田悟(Team ATJ)、名越哲平(SDG Honda Racing)の上位10台。

トップの岡本は序盤から1分26秒前半のラップタイムで周回、昨日のレース1の序盤は27秒台だから1秒近く速いペースでラップしている。岡本の青図通りここで引き離して逃げ切りたい。

「オープニングラップで水野さんに抜かれ、野左根選手にもインを刺されて、このままだと昨日と同じ展開になってしまうと思ってすぐに頭を切り替えてガンガン攻めることにしました。それができたのはスタートが決まったことが大きいです」

だが、思っていたほど水野が離れない。それは路面温度が昨日よりもかなり上がったコンディション変化もあるが、水野のペースが確実に速くなっていた。昨日のレース1の反省から朝フリーで車体セッティングを大きく振った、それが当たった。(朝フリーではトップタイム)

「朝フリーのフィーリングがすごく良くて自信を持ってレース2に臨みました。岡本選手がどんなペースで走るのかわからなかったので1周目に抜きました。すぐ抜き返されましたが後ろに付いてみたら同じようなペースで走れたので少し様子を見ようと思いました」

岡本、水野、中須賀のトップ3台は26秒台で周回、4位の野左根以下を大きく引き離す。中盤以降、中須賀のペースが上がらず27秒台。徐々にトップ2台から離されていく。近年こんな光景は見たことがない。トラブルを抱えているのか?と思えるほどであった。

「事前テストから裕生が一発のタイムもアベレージも自分より速いのは見えていました。だから昨日のレース1では前に出させず自分のペースで走らせようと考え、それが当たって勝てました。ですが今日はトップに立った時点で勝負はついてしまいました。もちろん、今の自分にできる100%の走りで戦いましたが裕生がそれ以上だったと言うことです。今日の裕生は本当に速かったです」

 岡本はオープニングラップで水野の先行を許した以外一度もトップを譲ることなくキャリア2勝目を上げる。

「一発もアベレージも自信があり、良い流れで来ていたのにレース1では勝てませんでした。その反省を踏まえレース2では速さを発揮できる組み立てを考えました。それが決まって勝てたことがすごく嬉しいです」

「今までは中盤から終盤に中須賀さんに抜かれて勝てないレースが多かったのですが、今日は最初から最後までみんなを抑えて中須賀さんのようなレース展開ができたことが大きな収穫でした」

レース1終了後「次のレースは8月。このまま悔しさを抱いたまま2ヶ月間過ごしたくないので、明日のレースで勝って“終わりよければ全て良し”の状態に持っていきたいです」と言っていたがその通りになった。

中須賀も認める速さ。「今日は完敗、心からおめでとうと言いたいです」「勝てると思った時にしっかりと勝つ、チャンピオンを取るために非常に大事なこと。裕生はそれをやってのけました。」とチームメイトの優勝を喜んでいた。しかし中須賀がこのままでいるわけがない。「今回の負けを反省、裕生にあって自分になかったところをしっかりと分析して次戦もてぎで勝てるようにしっかりと準備します」と、中須賀らしい心強いコメント。

2位の水野。当然勝てなくて悔しいに決まっているが昨日ほど表情は暗くない。

「終盤に離され始めたのでプッシュしたら転びそうになる場面もあったのでペースを上げませんでした。(2位と言う)結果には満足していませんが、今日のレースではフィードバックがたくさんあり、「あぁ、また離されて終わっちゃいました」で終わっていないのがすごくポジティブです。ヤマハのバイクが何故速く走れるのだろうか、にトライしてみて、このバイクでもできることが見えたことが大きな収穫です。次のレースまで2ヶ月間空きますが自分たちにはその間に鈴鹿8耐があります。そこで今日分かったことをやってみればもっともっと速くなると思います」

昨日までタイム的には良くても内容が悪かったのだが今日のレースでは内容が良かった。それはレース後の表情をみれば分かった。

鈴鹿8耐を挟んでこれからの2ヶ月でどれだけセットアップが進むのか、楽しみである。

これで今シーズンの前半戦を終えた。鈴鹿8耐に参戦しないチームは2ヶ月間のインターバルとなる。多くのチームが鈴鹿8耐に参戦するのでその間にマシンのセットアップを詰めることができるだろう。

次戦8月のもてぎで勢力図が変わるのか、それも楽しみである。

全日本ロードレース第3戦SSUGO 決勝レース1 上位10位の結果は以下の通り

優勝:#2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2
2:#3 水野涼 DUCATI Team KAGAYAMA
3:#1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
4:#32 野左根航汰 Astemo Honda Dream SI Racing
5:#33 高橋 巧 日本郵便Honda Dream TP
6:#10 岩田悟 Team ATJ
7:#9 伊藤和輝 Honda Dream RT桜井ホンダ
8:#4 名越哲平 SDG Honda Racing
9:#6 津田拓也 AutoRace Ube Racing Team
10:#30 長島哲太 DUNLOP Racing Team with YAHAGI

Photo & text:Toshiyuki KOMAI