2018全日本ロードレース開幕戦もてぎ 決勝レース2

2018/04/11

中須賀克行ダブルウィン!2位に野左根航汰、ヤマハが1-2フィニッシュ!3位カワサキ渡辺一馬

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が開幕2連勝を挙げる!チームメイトの野左根航汰が2位に入り、ヤマハファクトリーの1-2フィニッシュ!終盤のバトルを制した渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)が3位表彰台を獲得。

全日本ロードレース開幕戦「SUPERBIKE RACE in MOTEGI」の決勝レース2が開催された。前日までの冷たい雨から一転、空気は冷たいものの鮮やかな青空の晴天のもとで行われた朝のフリー走行。津田拓也(ヨシムラスズキMOTULレーシング)がマシントラブルでハイサイド転倒、赤旗中断が発生する。担架で運ばれ、状態が心配されたが自らの意志で決勝レースのグリッドについた。

23周の決勝レース2スタート!ホールショットは野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が奪う。

中須賀、高橋巧(Team HRC)、津田、高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)が続いて1コーナーに進入する。2コーナーで高橋巧と津田が接触、高橋巧のマシンからサイレンサーが脱落してしまう。高橋は翌周に緊急ピットイン、マフラー交換してコース復帰するが周回遅れとなってしまう。

オープニングラップは野左根が制し、中須賀—高橋裕紀—星野知也(TONE RT SYNCEDGE4413)—渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTULレーシング)—渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)—秋吉耕佑(au・テルルMotoUP RT)—津田—清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)—生形秀之(エスパルスドリームレーシング・AI )の上位10台。

野左根は中須賀を従えてトップを走行するが野左根のペースの上がり方が鈍いことをみて中須賀が5周目のS字コーナーでパスする。「本当は先に自分が前に出ようと思ったがタイヤ温存などを考えた。(航汰が)想定したタイムほど上げられそうもなかったしこのまま後ろで走ったら後半の勝負で展開が難しそうだったので前に出てペースを上げようと思った」という中須賀はトップに立つとそれまでの50秒台のラップから一気にペースを上げて10周目には1分48秒722のファステストラップをたたき出す。こうなると中須賀の独壇場。野左根も必死にくらいつくがその差は徐々に開いていく。

その後方3番手争い、前日大きな転倒をしたばかりの渡辺一樹が高橋裕紀の背後にピタリとつけて4周目の90度コーナーでパスして3番手に浮上する。予選14番グリッドの渡辺一馬は10周目に1分49秒868の49秒台に入れる猛追で高橋裕紀をかわして4番手まで浮上してきた。

さらにここに49秒台を連発して追い上げてきた清成が加わり、渡辺一樹、渡辺一馬、高橋裕紀、清成の4台で3番手争いを展開する。清成の勢いは止まらずそのまま12周目に高橋裕紀をパスして5番手に浮上する。さらにその先の渡辺一馬をロックオン、すぐ背後からプッシュする。しかし18周目、ラインを少し変えて5コーナーへ進入した際にフロントから切れ込んで転倒、悔しいリタイアとなった。

先頭を走る中須賀のペースが落ちない。10周目にファステストラップを出した後は49秒台を連発、しかも中盤以降はバックマーカーをかわしながらのこのタイムである。野左根も中盤までは49秒台で走行するが終盤は50秒台前半。中須賀は2位野左根に12秒586の大差をつけてぶっちぎりの優勝を飾る。

「完全なドライで路面温度も高い状態でアベレージも持って走れた。前に出てからもしっかり落ち着いて自分の走りに集中でき、非常に内容が良かった。チャンピオンシップのことを考えて一戦一戦大切に闘っていきたい。素直に嬉しい」と中須賀。

「オフシーズンのテストから自分の造り込みが上手くいっていなかった。転倒が多くて自分の感覚を信じられない。今日の1周目2周目も引いていた。でも仮に絶好調であったとしても中須賀選手には勝てなかった。そこはもっともっと考えて超えられるようにしたい。バイクではなく自分の問題」と野左根。

中須賀は開幕2連勝、昨年9月のオートポリス大会優勝から6連勝を達成。ヤマハファクトリーが1-2フィニッシュを飾った。

3位争いは渡辺一樹と渡辺一馬の一騎打ち。残り2周の21周目、5コーナ立ち上がりで渡辺一馬が渡辺一樹をパス、しかし渡辺一樹はピタリと張りつきホームストレートでかわして1コーナーに進入するもクロスラインで渡辺一馬が前に出る。バックマーカーが点在する中でこの2台は各コーナーでサイドバイサイドを繰り広げる。勝負は渡辺一馬が制して3位表彰台獲得。渡辺一樹は4位。

「追いつくけど抜けない、ワンミスで離れる展開、後ろにピタリとついていればチャンスはあると思った。一度前に出られれば抑えきれる自身はあった。どこで前に出られるか、を考えて走っていた。相性が悪いもてぎで表彰台に登れたことは非常に重要」と渡辺一馬。

高橋裕紀が5位。以下、6位津田、7位秋吉、8位水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)、9位加賀山就臣(Team KAGAYAMA)、10位山口辰也(Team SuP Dream Honda)の上位10台であった。

全日本ロードレース開幕戦「SUPERBIKE RACE in MOTEGI」の決勝レース2上位10位結果は以下の通り。

優勝:#1 中須賀克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2 : #634 高橋巧MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
3:#11 渡辺一馬Kawasaki Team GREEN
4:#26 渡辺一樹ヨシムラスズキMOTULレーシング
5:#72 高橋裕紀MORIWAKI MOTUL RACING
6:#12 津田拓也ヨシムラスズキMOTULレーシング
7:#090 秋吉耕佑au・テルルMotoUP RT
8:#634 水野涼MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
9:#71 加賀山就臣Team KAGAYAMA
10:#8 山口辰也Team SuP Dream Honda

photo & text : Toshiyuki KOMAI