2020全日本ロードレース第3戦オートポリス 決勝レース1

2020/09/19

ハイレベルな一騎打ちは赤旗で最後まで観られず。優勝:野左根航汰。2位中須賀克行、3位水野涼。

全日本ロードレース第3戦決勝レース1は野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)の抜きつ抜かれつのハイレベルな一騎打ち。ファイナルラップまでもつれるかと思われたが14周目に赤旗中断。12周目の順位で野佐根が優勝。これで3戦連続のポール・トゥ・ウィン。2位に中須賀、3位に水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)

昨日の雨と濃霧が嘘のように朝から爽やかな晴天。今大会は事前テストがなかったので土曜日の午前中に特別スポーツ走行が行われた。昨日走行できなかったので今年初めてのオートポリスでの走行となる。今大会も2レース制。公式予選のベストタイムがレース1のグリッド、セカンドタイムがレース2のグリッドとなる。

お昼に行われた公式予選。開幕戦SUGOで負ったケガが完治していない手負いの中須賀が予選中盤に1分47秒台に入れてリーダーボードのトップに立つ。しかし終盤に野左根が1分47秒182をマーク、逆転でポールポジション獲得。中須賀は1分47秒697で2番手。47秒台はこのヤマハファクトリー2台のみ。3番グリッドはホンダ勢最上位の水野涼1分48秒187。トップと1秒差。

レース2のポールポジションも野左根、ダブルポールを決めた。2番グリッドは中須賀、3番グリッド水野とレース1とフロントローは変わらず。4番グリッドに清成龍一(Keihin Honda Dream SI Racing)5番グリッド前田恵助(YAMALUBE RACING TEAM)4番、5番グリッドもレース1と変わらず。

 午後4時5分、レース1決勝スタート。4番グリッドの清成がロケットスタートを決め、野佐根、中須賀、水野の順に1コーナーに進入する。ジェットコースターストレートを下り、上りセクションの50Rで中須賀が野佐根のインを突いて2番手に浮上する。

清成は後続との差を0.38秒つけてオープニングラップを制する。2番手に中須賀、3番手に野佐根、4番手に水野。しかしここで水野が1コーナーで激しいレイトブレーキングから野佐根、中須賀を一気に抜いて2番手に浮上。中須賀の深いブレーキングよりもさらに深いところに飛び込みパッシングした。

清成、水野、中須賀、野佐根、ホンダとヤマハが2台ずつで先頭グループを形成し、序盤は激しいバトルを展開する。

3周目の3コーナー、野佐根が中須賀のインを突いて3番手浮上すると第2ヘアピンで水野をかわして2番手に上がる。さらに上りセクションでトップの清成をもかわして一気に3台を抜きトップに躍り出る。

中須賀はさっきのお返しとばかりに最終コーナーで水野のインを突き3番手に浮上。さらに4周目の上りセクション50Rで清成をパスすると、野佐根、中須賀のヤマハワン・ツーとなる。

ここから、中須賀と野佐根のガチバトルが始まる。4周目には野佐根は中須賀に対してコンマ6秒の差を持っていたが、なんと中須賀が1分47秒台に入れて猛追、野佐根のテールを捕らえる。ホームストレートでスリップに入りプレッシャーを与えると7周目の第1ヘアピンで野佐根をかわしてトップに立つ。しかし野佐根も黙っていない。コーナー毎に鼻先をインに入れて中須賀にその存在を知らしめる。そして9周目のホームストレートでスリップから抜けるとインに飛び込む、中須賀はコンパクトのラインから立ち上がり2台並んで2コーナーに進入する。3コーナーは中須賀がイン側、野佐根はアウト側からかぶせて中須賀を抑えてトップに立つ。

野佐根、中須賀からコンマ8秒ほど開けられていた清成と水野。しかし前の二人がバトルをしているおかげで差が詰まってきた。熱くなったホンダ勢同士のバトルは10周目の1コーナーで水野が清成をパスして3番手に浮上。

トップ争いは終盤に入るとその熾烈さを増す。11周目のホームストレート。2台横並びで1コーナーへのブレーキング競争。その後も野佐根のリアタイヤに中須賀のフロントタイヤが接触するほどの接近戦を展開。ついに13周目の第2ヘアピンで中須賀が前に出る。しかし今度は14周目の1コーナーでスリップから抜けた野佐根が中須賀のインに飛び込む。中須賀も踏ん張るが僅かに野佐根が前。ここでトップを明け渡す。中須賀は執拗に背後から攻め立て、上りセクションの50Rで野佐根のインを刺してトップを奪い返す。

 ここで3コーナーで多重クラッシュが発生して赤旗中断。12周目の順位でレース成立となり、野左根が優勝、中須賀は2位、3位は水野となった。

全日本ロードレース第3戦オートポリス レース1の上位10位は以下の通り

優勝:#3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:#1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3位:#634水野 涼 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
4位:#17清成 龍一 Keihin Honda Dream SI Racing
5位:#33 渡辺 一馬 Keihin Honda Dream SI Racing
6位:#75 前田 恵助 YAMALUBE RACING TEAM
7位:#36岩田 悟 Team ATJ
8位:#87柳川 明 will raise racing RS-ITOH
9位:#72濱原 颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ
10位:#44関口 太郎 SANMEI Team TARO PLUSONE

Photo & text : Toshiyuki KOMAI