いつもと様子が違う2020年シーズンイン。Team KAGAYAMAコメント

2020/03/16

新型コロナウィルス感染が広がる中、毎年恒例のシーズン前合同テストはホンダ系のチームが参加を自粛したため、2チーム:5名という異例のテスト風景となった。テストに参加したチーム・ライダーへのコメントを紹介する。今回は、現役ライダー、監督、チームオーナーと一人何役もこなすTeam KAGAYAMAの加賀山就臣と今年新規加入した昨年のJ-GP3クラスチャンピオン:長谷川聖。

昨年、ヨシムラに電撃移籍して周囲を驚かせた加賀山。チームとしての変革に加賀山の力が必要、とのヨシムラの要望に応えるべく一年間を闘い抜いた。今年は自らのチームに戻りタイヤをブリヂストンにスイッチした。

今シーズン初めての走行を終えてマシンの感触はいかがでしょうか。

「残念ながらまだマシンについて語れる状況ではありません。去年のヨシムラのデータを活かすこともできましたが止めました。理由も分からずマシンのセットをガラリと変えてもメカニックたちがその先に進めなくなってしまうからです。昨年までのマシンにブリヂストンタイヤを履かせたときにどうなるのか、どうしなくてはいけないのかを理解することで次のステップに進んだときに判断がしやすくなります。だから敢えて昨年のマシンセットにBSタイヤを履かせて臨みましたが当然合いません。遠回りだけど結果的に近道になると思っています。」

Team KAGAYAMAにとって久しぶりのブリヂストンタイヤですが感触はいかがでしょうか。

「タイヤについてもまだ語れる状況ではありませ。昨年スペックのマシンにブリヂストンタイヤを履かせても悪いところばかりでした。ブリヂストンタイヤに関する情報がほとんど無いので今回のテストでブリヂストンさんからいろいろと情報をもらえたことに感謝しています。」

今シーズンの抱負をお願いします。

「Team KAGAYAMAとして新しい体制でスタート、タイヤも勝つためには必需品と言われているブリヂストンにスイッチしてどこまで挑めるかがポイントであり、楽しみでもあります。早いタイミングでベースセットを出して勝負できるとこまで行きたいな、と思います。そして全日本ロードレースが盛り上がるようなバトルを魅せたいと思っています。ヤマハファクトリー、ホンダさんはレベルの高いレースをすると思うのでどこまでそこに近づけるか、勝利のチャンスを見つけられるか、そこで加賀山就臣というライダーの存在を魅せられるレースができれば、と思います」

昨年、J-GP3クラスチャンピオンを獲得した長谷川聖。昨年のMFJランキング表彰式で「できれば1,000ccはステップアップしたい」と話していたがまさかのTeam KAGAYAMA入りだった。1,000ccバイク未経験。苦労するのは承知の上で自ら厳しい道を選んだ。

今シーズンの初テストを終えていかがでしょうか。

「1,000ccバイクを自分のモノにできていないことを痛感しました。今は走り込むしかないので,周回を重ねる中で1,000ccバイクに慣れていきたいと思います。」

タイヤメーカーが昨年までのブリヂストンからダンロップに変わりました。

「250ccと1,000ccとの差があるとは言えやはりタイヤのフィーリングは違います。ブリヂストンの時の走り方では合わないのでダンロップタイヤでの走り方にも慣れていきたいと思います」

今シーズンの抱負をお願いします。

「先ずは入賞を目指したいです。そしてシーズン後半には表彰台を狙えるポジションに居たいと思います。もちろん結果が大事ですが今シーズンは同じくらい経験を大切にしたいと思います。とにかく1,000ccバイクでの闘い方を見出したいと思います」

加賀山就臣監督はどうですか?

「すごく良くしてもらっています。優しくもあり厳しくもあります。何より現役の最前線にいるライダーである加賀山さんからのアドバイスはすごくよく解りますし、ストンと腹に落ちます。加賀山さんについて今年一年は成長できる年にしたいと思っています」

今年46歳を迎える加賀山。もうベテランだがその体力、気力は若手には負けていない。百戦錬磨の経験は決勝レースの組み立て、闘い方に活きてくる。ブリヂストンタイヤを手に入れた加賀山がどんな走りを魅せてくれるのか楽しみである。

photo & text : Toshiyuki KOMAI