2022年全日本ロード第4戦SUGO 決勝レース1

2022/06/04

レース1。中須賀克行:独走優勝、2位:岡本裕生、3位:JSB初表彰台の作本輝介

全日本ロードレース第4戦が宮城県スポーツランドSUGOで開催された。金曜日は一日中雨と濃霧だったが土曜日は朝から快晴。土曜日は予選・決勝レース1をワンデーで行う。亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)が中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)に迫ってきた。レース1のポールポジションは中須賀が獲得。レース2は亀井が獲得した。レース1は中須賀が序盤から飛び出し、圧倒的な速さで優勝、今季7勝目を挙げる。2位に岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、3位にはJSB初表彰台を獲得した作本輝介(Astemo Honda Dream SI Racing)。

前日の雨から一転、朝から快晴のサーキット。序盤、亀井がトップに立つ。すかさず中須賀が1分26秒台に入れてリーダーボードのトップに立つ。亀井と中須賀のトップ争いに岡本が1分26秒048のタイムで割って入る。しかし終盤に中須賀が25秒台に入れる1分25秒993でポールポジションを獲得。亀井は1000分の9秒差の1分25秒942で2番グリッド。セカンドタイムは亀井の1分26秒088が最速、ポールポジションを獲得する。3番手は岡本、4番手に渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)5番手に作本のトップ5

13:25に25周による決勝レース1がスタート。渡辺と作本がスタートを決めて中須賀を挟む形で1コーナに侵入する。しかし止まりきれず2台が膨らんだ隙から中須賀がトップを奪う。渡辺、作本と続いて2コーナーを立ち上がる。

「スタートで前に出られたら序盤から引っ張ってペースを作りたい」と考えていた中須賀はオープニングラップから後続を引き離しにかかる。最終シケインで岡本が作本をかわして3番手に浮上する。オープニングラップは中須賀が制し、渡辺、岡本、作本、亀井、岩田悟(Team ATJ)、濱原颯道(Honda Dream RT桜井ホンダ)、名越哲平(SDG Honda Racing)、榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)、秋吉(Murayama.Honda Dream.RT)の上位10台

スタートで出遅れた亀井、渡辺と岡本の後ろからチャンスを伺う。3周目のラップタイムは1分27秒2、渡辺と岡本は27秒8。コンマ5秒以上速いラップタイム。 4周目の1コーナーで岡本を刺して3番手に浮上して渡辺を追う。しかし5周目の3コーナー、「4コーナーで刺すためにコンパクトに立ちあがろうとインにつき過ぎてアクセルを開けたらハイサイドを起こし、なんとか抑えたのですがリアから滑っていきました。焦りが原因です」と自分を責める。このところの亀井の速さに注目が集まっていただけに残念。幸い大きな怪我はなくマシンも重症ではないようなので明日のレース2に期待したい。

中須賀は4周目にただひとり1分26秒台に入れ5周目に1分26秒442をマークすると後続との差を3秒2まで広げる。今回は序盤からハイペースを刻んだ中須賀。「サーキットやコンディションによって序盤から飛ばすとアベレージタイムが下がるところもあります。ここSUGOは序盤からペースを刻んでも後半まで落ちないことが確認できていたので序盤から飛ばしました」という。レース中のアベレージタイムを揃えるためにどんな走りすれば良いのか、を事前テストから考え、確認している。

中須賀は一度もトップの座を譲ることなく2位に4秒807の大差をつけて今季7勝目を挙げた。

渡辺と岡本、作本による2番手争い。7周目の最終シケインで岡本が渡辺をかわして2番手に浮上。さらにその翌週8周目の1コーナーでは作本が渡辺をパスして3番手に浮上、表彰台圏内に上がってきた。渡辺は1分27秒後半から28秒とペースが上がらず徐々に引きなされてしまう。前に出た岡本、中盤以降に26秒台に入れてペースを上げる。「セカンドグループの先頭に出た時にはトップとの差はかなり開いてしまい、序盤で勝負が着いてしまった感じです」岡本はそのまま2位でチェッカー。

3番手を走行する作本。「岡本選手が抜け出した時、僕は正直余裕がなくて付いて行こうとしたのですが、中盤から後半にかけてペースを維持するのは厳しくなりました」。このところ亀井、濱原の影に隠れていた感のある作本だが本来の速さを見せてきた。自身初のJSB1000クラス表彰台を獲得した。

渡辺は単独で4番手走行、そのままチェッカとなる。5番手争いは濱原と岩田。お互いに27秒後半から28秒前半のラップタイムで一騎討ちを展開する。19周目に濱原が前に出て決着がつく。6位に岩田、7位に榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)、8位に関口太郎(SANMEI Team TARO PLUSONE)、9位に津田一磨(BabyFace Powered by YOSHIMURA)、10位に児玉勇太(Team Kodama)の上位10台であった。

優勝:中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)記者会見

「事前テストから通じて今日が一番暑いコンディションでした。序盤から前に出て引っ張っていこうという作戦通りに進みました。一周目で継続にコンマ7秒ぐらい開いたので今のうちプッシュするしかないなと思って、早い段階でペースを上げていきました。後続と差が開いたマージンを使いながらしっかり自分の走りをに集中して優勝することができて非常に良かったなと思います。」

2位:岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)記者会見

「今日からドライになってなかなかペースがつかめませんでした。予選も振り絞って出したタイムだったの決勝は少し不安もありました。スタートに失敗してしまい、序盤から中須賀さんが逃げてしまいました。自分が2番手に上がってからは自分のペースで走れたのですが、時すでに遅し、で中須賀さんに追いつくことができませんでした。まだまだ足りない部分が多いと改めて痛感しました。」

「これまでのテストで自分にはペースが無いのはわかっていたので、スタートしてなんとか中須賀さんに食らいついて行こうと思いました。ですが、中須賀さんは序盤から飛ばして先に行ってしまい、自分は中盤から後半にかけて厳しくなってきて何とか仕掛けたかったのですが自分の実力不足で追いつけませんでした。ですが今季ベストリザルトには嬉しく思います。明日のレースはできるだけトップ争いに絡みたいと思います」

全日本ロードレース第4戦 スポーツランドSUGO 決勝レース1上位10位は以下の通り。

優勝:中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2:岡本裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3:作本輝介 Astemo Honda Dream SI Racing
4:渡辺一樹 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN
5:濱原颯道 Honda Dream RT桜井ホンダ
6:岩田悟 Team ATJ
7:榎戸育寛 SDG Motor Sports RT HARC-PRO.
8:関口太郎 SANMEI Team TARO PLUSONE
9:津田一磨 BabyFace Powered by YOSHIMURA
10:児玉勇太 Team Kodama

Photo & text:Toshiyuki KOMAI