2023年鈴鹿8耐 決勝レース

2023/08/08

圧巻の強さ、Team HRCが鈴鹿8耐2連覇を飾る

44回目を迎える鈴鹿8耐がスタートした。予報では朝から雨だったが晴れ、蒸し暑い朝を迎えた。決勝スタート時点は曇り、黒い雨雲が遠くに見えていた。

午前11:30決勝スタート!ホールショットは今年も#12 グレッグ・ブラック(YOSHIMURA SERT Motul)が奪う。2番手#33 高橋巧(Team HRC)、3番手#7ニッコロ・カネパ(YART Yamaha Official EWC TEAM)で1コーナーに進入する。

#1 マイク・ディ・メリオ(F.C.C. TSR Honda France)4番手、#104 國峰啄磨(TOHO Racing)5番手、#76 ダン・リンフット(AutoRace Ube Racing Team)6番手、オープニングラップは#12 ヨシムラが抑える。

序盤は当初の予想通り#33 HRCと#7 YARのバトルとなった。2周目のデグナーで#33 高橋が#7 ニッコロ・カネパをパスすれば3周目のシケインで#7 が#33を抜き返す。

11周目に#33 高橋がトップに立つと2分7秒台に入れて#33 ニッコロ・カネパとの差を広げ始め20周目には5秒942まで開く。

ここで#1 TSRに異変が起こる。それまで2分8秒・9秒で走っていたが11周目以降2分12秒〜13秒台。ピットから「フロントタイヤはOKか?」とのサインが出される。その矢先の18周目、シケインで転倒。20位まで順位を落として23周目にピットイン。ピット作業でマフラー、ステップ、前後のタイヤを交換し、#1 アラン・テシェにライダーチェンジしてコースに復帰する。

トップ3台の#33 高橋、#7 ニッコロ・カネパ、#12 グレッグ・ブラックは約3秒の等間隔で走行を続ける。予選6番手ながらスタートに失敗、24番手まで順位を落としていた#17 水野涼が猛プッシュ。18周目には4番手まで上がってきた。

23周目辺りから最初のライダーチェンジが始まる。L23 #76 AutoRace Ube Racing Team ダン・リンフット→津田拓也、L24 #7 YART ニッコロ・カネパ→カレル・ハニカへチェンジ。

そして26周目主なチームがピットイン。#33 HRC 高橋巧→長島哲太へ、#12 YOSHIMURA SERT Motul グレッグ・ブラック→シルバン・ギュントーリへ、#73 SDG Honda Racing 浦本修充→埜口遥希へ、#104 TOHO Racing 國峰啄磨→清成龍一へチェンジする。

スタートから1時間後の順位は、トップ#33 HRC、#7 YART、#12 YOSHIMURA、#17 Astemo Honda、#95 S-PLUSE、#76 AutoRace Ube、#73 SDG Honda Racing、#71桜井ホンダ、#104 TOHO Racing、#50 Team Kodamaの上位10台。

やはり長島哲太は速い!29周目に2:07.376に入れると30周目には2:06.902のファステストラップをマーク。6秒台に入れてきた。その後も2分7秒台を連発。38周目には2番手#7 YARTに31秒もの大差をつけて独走体制を築く。

45周目、2番手走行中の#7 YARTがスプーン立ち上がりで失速、西ストレートを押して歩く衝撃映像が流れ、場内から悲鳴が上がった。予選では全員5秒台に入れる速さを見せ、Team HRCに対抗できる優勝候補の一角として挙がっていたがトラブルに見舞われる。約20分かけて戻るとピットの中に入れて修復作業に入る。約7分間のピット作業の後マービン・フリッツにライダーチェンジしてピットアウト。しかし優勝争いからは脱落してしまった。

#7 YARTのトラブルにより3番手を走行していた#17 Astemo Hondが東ショートカットから緊急ピットイン。ガス欠。慌てて給油、タイヤ交換、作本輝介にライダーチェンジしてピットアウト。#17 作本は56周目にチームベスト2:06.565をマークするが60周目にヘアピンで転倒を喫し19位まで順位を落とす。#17 Astemo Hondaの脱落で3番手争いが#95 S-PLUSE、#76 AutoRace Ube、#73 SDG Honda Racing、#104 TOHO Racing、#71桜井ホンダの4チームによって展開される。

トップ#33 Team HRCは2位#12 YOSHIMURA以下を周回遅れにする圧倒的な速さで快走を続けて4時間経過。レースは折り返しを迎える。#12 YOSHIMURAから1分遅れで#104 TOHO Racingが3番手につける。以下、#95 S-PLUSE、#76 AutoRace Ube、#73 SDG Honda Racing、#71桜井ホンダ、#11 Kawasaki Webike Trickstar、#37 BMW MOTORRAD、#88 Honda Asiaの上位10台。

2分8秒から9秒台の脅威的なラップタイムで周回する#33 Team HRC、ここまで来ると最多周回数更新の期待がかかる。今までの最多周回数は2002年に故加藤大治郎さん/コーリン・エドワーズ組が記録した219周。それを上回る220周が達成できるかもしれないと思っていたが、約5時間経過の137周目にバックストレートでコース上にマシンが残されてしまうアクシデント発生、約20分間に渡るセーフティカー導入により記録更新は途絶えた。

このまま#33 Team HRC優勝、2位#12 YOSHIMURAで決まりかと思われたが、やはり鈴鹿8耐には魔物が潜んでいた。チェッカーまであと1時間半という18時過ぎに雨が落ち始める。この時点での順位は、トップ#33 Team HRC、2番手#12 YOSHIMURA、3番手#104 TOHO Racing、以下#76 AutoRace Ube、#71桜井ホンダ、#73 SDG Honda Racing、#37 BMW MOTORRAD、#1F.C.C. TSR Honda 、#95 S-PLUSE、#88 Honda Asiaの上位10台。

通り雨かと思いきや西コースで雨粒が大きくなりレインタイヤを用意すべくピットが慌ただしく動き出す。一旦小康状態が続いていたが18:13頃に突然の土砂降りとなる。トップ#33 高橋巧のラップタイムもそれまでの2分9秒台から一気に2分34秒台に落ちる。しかしまだウェットになるほどではない微妙な路面でライダー達は慎重な走りを求められる。

#33 Team HRCと#12 YOSHIMURAが2分34秒台で走行する中、#104 清成は10秒以上速い2分21秒台で周回する。18:20、184周目に#12 YOSHIMURAはウェットタイヤに交換する。しかしその直後に悲劇が起こる。アウトラップの逆バンクでなんと転倒、場内騒然となる。ピットに戻り懸命の修復作業を行う。これで#12 YOSHIMURAの表彰台は無くなり#104 TOHO Racingが2番手に浮上する。約11分間のピット作業を終えピットからマシンを出すと大きな拍手で迎えられシルバン・ギュントーリにチェンジして12番手でコース復帰する。

#104 清成は相変わらず脅威的な2分25秒台でラップ、他のライダーたちより20秒も速い。このような路面コンディションでの走り方はさすがだ。

18:27 188周目に#33 Team HRCがピットイン。タイヤに注目が集まる。選んだのはスリック。長島哲太がコースインする。スリックを履いている#104 清成は2分15秒台まで回復、コース状は乾きつつあると判断。

3番手走行中の#76 AutoRace Ube 津田拓也はウェットタイヤを履いている。その1.6秒後方にいる#73 SDG Honda Racing埜口遥希はスリックタイヤ。#73 埜口が#76 津田をかわして3番手に浮上する。

18:40 5番手まで順位を上げてきた#1 TSRがピットイン、アラン・ティシェにチェンジしてコース復帰。その後#37 BMW MOTORRADがライダーチェンジしたため#1 TSRは4番手に浮上する。

その後雨は降らずドライでラスト30分を迎える。#33 HRC 長島哲太は相変わらず2分10秒台のハイペースで周回、ゴールまであと5分のタイミングで給油だけ行うスプラッシュ&ゴーのピットイン。そのままトップチェッカーを受ける。今年も圧倒的な強さを見せたTeam HRC。トラブルもミスもなく216周を走り抜いた。

2位は#104 TOHO Racing、3位は#73 SDG Honda Racingの表彰台であった。

※決勝レースから2日後の8/8(水)20時過ぎに、レース後車両検査の結果 #104 TOHO Racingは、2023年FIM世界耐久選手権規則の第2.6.6.10条に違反する燃料タンクの過容量が記録されたため失格が決定した、とのリリースが発表された。これにより2位:#73 SDG Honda Racing、3位:#1 F.C.C. TSR Honda Franceとなった。

2023年第44回鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝結果上位10台は以下の通り。

優勝:#33 Team HRC
2位:#73 SDG Honda Racing
3位:#1 F.C.C. TSR Honda France
4位:#76 AutoRace Ube Racing Team
5位:#71 Honda Dream RT桜井ホンダ
6位:#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
7位:#88 Honda Asia Dream Racing with SHOWA
8位:#95 S-PLUSE DREAM RACING -ITEC
9位:Astemo Honda Dream SI Racing
10位:Team ATJ

text:Toshiyuki KOMAI
photo:水谷たかひと