全日本ロード第6戦 オートポリス 決勝レース2

2023/09/05

手の内を読んだ中須賀克行の戦略勝ち、悔しい岡本裕生。表彰台に戻ってきた水野涼

全日本ロードレース第6戦オートポリス 決勝レース2が開催された。昨日から一転、朝から爽やかな晴天となったが決勝レースがスタートする頃には路面温度54度にまで上昇する厳しいコンディションとなった。

14:20 、18周のレース2がスタート。岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)がホールショットを奪う。中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が続き、3番手に水野涼(Astemo Honda Dream SI Racing)、4番手亀井雄大(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)で第1コーナーに進入する。

やはりトップ2台のヤマハはスタート直後から抜け出し3番手以下に差をつけ始める。オープニングラップは岡本が制し、以下、中須賀、水野、津田、名越哲平(SDG Honda Racing)、岩田悟(Team ATJ)、作本輝介(Astemo Honda Dream SI Racing)、清成龍一(TOHO Racing)、秋吉耕佑(Murayama Unso.Honda Dream.K.W)の上位10台。

レース1同様、岡本と中須賀はハイレベルな接近戦を展開する。5周目に中須賀が仕掛けてトップを奪う。7周目には岡本が奪い返すが、すかさず翌8周目に中須賀は再び襲いかかりトップに立つ。レース1に比べて順位の入れ替えが激しい。そこにはお互いの思惑があった。

中須賀は「路面温度が上昇したコンディションでは後半タイヤがキツくなるのはわかっていました。だから前に出てペースを(50秒台に)落とそうと考えていました」

対する岡本、「レースの引き出し数では中須賀さんの方が圧倒的に多い。だから少しでも速いラップタイムを刻んでその積み重ねでリードを築けないかと考えていました」

遅いペースで走りたい中須賀、速いペースを刻みたい岡本。相反する思惑から抜きつ抜かれつを繰り返した。中須賀からしたら「なんでまた抜き返すんだよ」と思っていたかもしれない。

もうひとつレース1とは違う点があった。13周目に見せた岡本の攻め方である。得意とする第1コーナーの進入勝負に加えて「ここで抜くか?」と言う第2コーナー進入でインを刺したのだ。しかしファイナルコーナースタンド前の右コーナーでインに飛び込まれて中須賀の先行を許す。だが岡本は諦めない。14周目にも同じ2コーナーでインを刺して再びトップを奪い返す。

「頭を使って走りました」と岡本。元々1コーナー立ち上がり速度が速い岡本の走りを活かした新しい攻めどころだ。

“どのコーナーでも抜いてくる中須賀”を攻略することを考えながら走っていた。これも成長のひとつ。

お互いタイヤが厳しくなってくる中で迎えたファイナルラップ、1コーナー進入でリアが暴れる中須賀、その隙を逃さず立ち上がりの速さで2コーナーのインを突こうとする岡本。しかし中須賀はインを締める。岡本はパスできない。

「レース1でお互いに速いところ・遅いところなど手の内を把握しました」

2回同じ場所で抜かれている中須賀、岡本の手の内を読んでしっかりとブロックした。こんな僅かな時間の中でも学習する中須賀、これが彼の凄さだろう。

最後の勝負どころの第2ヘアピン。インに飛び込もうとする岡本をしっかりとブロック。これで勝負はついた。テール・トゥ・ノーズで迫ってくる岡本を僅か0.067秒差で抑えて地元九州で2連勝を飾った。

3位争いも熾烈だった。水野、名越、亀井、作本の4台が1パックとなって展開していた。8周目、名越が水野をパスして3番手に浮上。しかしすぐさま1コーナーで名越をかわして3番手を奪い返す。

「名越選手に抜かれた時、”すぐに抜き返さないと逃げられる“と思いました」と水野。名越のペースの速さを察知して多少無理してでも前に出てレースメイクをしようと考えた。名越も意地を見せて抜き返したが水野が競り勝ち3位表彰台を獲得した。名越は悔しい4位。

亀井はスタートを決めて序盤は3番手争いに加わっていたが徐々に遅れ始め5位フィニッシュであった。

中須賀と岡本のクリーンなバトルは会場を沸かせた。岡本の成長が印象に残るオートポリス大会であった。

全日本ロードレース第6戦オートポリス 決勝レース2 上位10位の結果は以下の通り

優勝:中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2
3位:水野 涼 Astemo Honda Dream SI Racing
4位:名越 哲平 SDG Honda Racing
5位:亀井雄大 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN
6位:作本 輝介 Astemo Honda Dream SI Racing
7位:伊藤和輝 Honda Dream RT桜井ホンダ
8位:清成 龍一 TOHO Racing
9位:岩田 悟 Team ATJ
10位:児玉 勇太 Team KODAMA

Photo & text:Toshiyuki KOMAI