驚愕の2分4秒台! HRC、ヨシムラ 事前テスト2日目
耐久レースにおいて一発のタイムに大きな意味は無いと言いながらもやはり2分4秒台のインパクトは強烈だ。鈴鹿サーキット主催テストセッション2日目。衝撃は朝イチに起きた。9:30からのsession5走行開始早々3周目にジョナサン・レイ(Honda HRC)が2分4秒905、このテストで初めて4秒台に入れた。その翌周には2分4秒773とタイムアップを果たす。これには場内騒然。やはりHRCは速い。
「ジョニー(ジョナサン・レイ)はタイムを出そうと思って走ったわけでは無いと思います。新品タイヤでちょっとペースを上げた程度。決勝レース用のセッティングで4秒台を出せるバイクに仕上がっていることだと思います」と高橋
今日のテストは赤旗中断が多くまともにロング(決勝レースと同等の周回数を走るテスト)ができなかったチームも多かった。高橋も赤旗にひっかかった。
「26〜27周する予定でしたが赤旗中断のため20数周で終わりましたがフィーリングは良かったです。なので最後にペースを上げてみたら20周以上走ったユーズドタイヤで2分5秒フラット。いい感じに仕上がっていると思います」
では高橋の満足のいくマシンに仕上がっているのか?と聞くと
「まだですね。オーリンズの良さを完全に引き出すところまで行っていません。昨年の鈴鹿8耐マシンをベースに開発を進めていますのでスタート地点は高いかもしれませんがまだ2回しかテストしていないので時間が少ないです」
厳しいコメントをする高橋だが総じてここまでの進捗具合には満足しているようだ。一発もアベレージも速く、しかも燃費も良い。盤石なように見えるのだがさらに上を目指している。
ヨシムラも場内を沸かせた。2026年新型モデルをシェイクダウンした渥美心も2’04.856と4秒台に入れてきた。
外観ではウィングレッドが装着され、エンジンがメインのアップデートだと言う。車体や足周りなど基本的な部分は踏襲している。
「2分4秒台は狙っていました。2年前の全日本ロードで出せなかったのですが、長い時間をかけてチームと一緒に積み上げてきたものが出せたかなと思います。先週のプライベートテストでは旧型マシンで2分5秒3。昨日は新型で5秒4、ここで出さなきゃダメでしょ(笑)と言う感じでした」
「新型マシンはエンジンが変わりました。パワーも出ていますし振動がなくなりました。これまでは振動と格闘しているイメージで、タイミングがほんのちょっとずれちゃう感じだったのですが、それがなくなったことによって狙った通りになります。さらにバイク抑えつける力が強くなりましたのですごくポジティブです」
「ラップタイムペースは去年よりも上がると思います。今日のフィーリングでは5秒台でも回れそうです。本番はもっと暑くなるのでそこまでは難しいと思いますが6秒台で走れそうです」
ヨシムラも燃費が良い。昨年は7回ピットを敢行している。 7回ピット同士のヨシムラとHRCがどんなバトルを展開するのかも楽しみのひとつだ。
メーカー直系ワークスチーム「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」。昨年6年ぶりに復活して2位表彰台。このままでは終われないと今年も参戦。エースライダーはもちろん中須賀克行。体力的にキツそうであるが決まった以上全力で挑むのが中須賀。ペアライダーは昨年同様ジャック・ミラーとアンドレア・ロカテッリ。
「昨年一緒に走って非常に適応力の高いライダーですので全く心配していません。彼らから学ぶところが多いので今年もペアを組めて嬉しいです。昨年は彼らに負担をかけてしまった(中須賀は怪我を負っていた)ので、今年はそうならないようにしっかり準備します」と中須賀。
淡々とテストメニューをこなし、2日目はロングを行い確認を進めた。よって総合のトップ10には入っていないが昨日のテストで5秒3を出せる速さは確認できた。
「今日はロングを行い何が足りないのかが明確に見えたことが大きな収穫です。テスト時期が早いこともあり他のチームのタイムが上がってきている中、我々はもう少し燃費の改善が必要かな、と思っています。路面を改修してタイムは上がりますがその分タイヤへの攻撃性や燃費も悪くなります。今日のテストでデータが取れたのでひとつひとつ潰していこうと思います」
「レースウィークは今回よりも温度が上がるのは明白で、そうなった時にタイヤの選択をどうするかも検討課題です。もしかするとウィークに入ってから調整が必要なると思いますがそこも含めてしっかりと準備します」
サスティナブルなレース活動を掲げて3年目の参戦:Team SUZUKI CN CHALLENGE。ワークスチームとして参戦している。今年は全日本ロードレースにフル参戦、津田拓也がマシン開発を担う。そして今回水野涼が参戦するサプライズ発表。今シーズンDUCATIで全勝の水野がどこまでのパフォーマンスを発揮するのか注目される。
「昨日初めてこのマシンに乗りました。乗り始めは自分のイメージと違う部分もあり、初日は大変でしたが、2日目に大きく変えたパーツが効いてすごく乗りやすくなりました。今日のベストは中古タイヤで2分6秒3。新品タイヤを履けばもっとタイムアップできたでしょうけど、そこにはあまり意味はなく、3人が揃って同じタイムを刻めたことの方が有益でした」
我々素人から見ればDUCATIからスズキへの乗り換えは大変だろうなと想像するが水野は器用なライダー。やはり二日目には合わせてきた。但し、再生可能材料を含めたタイヤは普段走っているタイヤとは違う。
「このタイヤは初めて履きました。普段履いているタイヤとはフィーリングが違うのでこっちの方が慣れるのに時間がかかるかも知れません。でもこのパッケージで6秒3はメチャクチャ速いと思います。次の走行はレースウィークなのでそこでもしっかりとアジャストしたいと思います」
CN CHALLENGEマシン開発を続けている津田拓也。今シーズン開幕・SUGOで抱えていた課題のひとつがこのテストで大きく前進した。鈴鹿8耐テストは走行時間が長いので様々なテストメニューをこなせるところも大きい。
「今シーズンからサスペンションのニューモデルを投入してもてぎ・SUGOで試しています。ですがなかなかいいところが見つからず苦労していたのですが、二日目に中身を大きく変えたものをテストしたらフィーリングが良くて“あ、やっとニューモデルの良さを引き出すことができたな”という実感を得られたのは非常にポジティブです」
「タイヤも昨年からは進化しています。タイヤが変わると全日本のセッティングとは変わりバイクも変わるので良いところを見つけるのは難しいですね。でも今回速いライダー2人と一緒に進められるので開発速度が2倍にも3倍にもなります。今日も自分と水野選手がテスト、マッソン選手がロング、と役割分担をしてテストしました」
Team SUZUKI CN CHALLENGEの佐原監督もテストに手応えを感じていた。「2日間、いいテストができました。水野選手には期待しています。初日は苦労したみたいですが2日目は1秒もタイムアップ。驚きました。元々ポテンシャルの高いライダーですのでもっと伸びると思います。今日も津田選手と水野選手は別々のテストメニューをこなし、マッソン選手はロング、と役割分担をしてテスト・開発できるところが大きいです」
生形秀之が今シーズン立ち上げたチーム「S-SPORTS SUZUKI」に電撃加入した西村硝。全日本ロード開幕戦からトップ10に入る速さを見せている。このテストでも2分5秒台に入れ総合7番手に食い込む。
「このバイクで鈴鹿を走るのは初めてなのでSUGOのベースセットから走り始めたのですが思ったほどフィーリングが良くなかったです。ですがチームが走り度にアジャストしてくれたので着実に前に進んでいる感覚はあります」
「昨日転倒してしまったので今日は割と慎重に走りました。その中で2分5秒台を出せたのは非常にポジティブです。いろいろなメーカーのマシンに乗ってきましたがスズキはネガの影響を受けにくいバイクだなと感じます」
これで事前テストは終了。次の走行はレースウィーク6/30(火)・7/1(水)のテストセッション。例年の猛暑は免れるのか、しかし梅雨の中での開催は雨も予想される。どんな気象条件に転ぶのか。それによってライダーもチームもお客様も大きな影響を受けるレースとなりそうだ。
鈴鹿サーキット主催テストセッション2日目総合上位10位は以下の通り
1:#30T Honda HRC 2’04.773 ジョナサン・レイ
2:#12 YOSHIMURA SERT Motul 2’04.856 渥美心
3:#5 F.C.C. TSR Honda France 2’04.969
4:#12T YOSHIMURA SERT Motul 2’05.341 グレッグ・ブラック#21
5:#30T Honda HRC 2’05.670 高橋巧
6:#45T DUNLOP Racing Team with YAHAGI 2’05.843 長島哲太
7:#95 S-PLUSE DREAM RACING SUZUKI 2’05.993 西村硝
8:#73 Honda Dream RT SAKURAI HONDA 2’06.048
9:#40 Team ATJ 2’06.059
10:#17 Astemo Pro Honda SI Racing 2’06.087
Photo & text : Toshiyuki KOMAI











































