2019全日本ロードレース第3戦SUGO 公式予選・決勝レース1

2019/05/26

高橋巧、またもやコースレコード更新!そしてポール・トゥ・ウィン。2位に中須賀克行、3位に野左根航汰

事前テストで1分25秒台に入れてその速さを見せつけていた高橋巧(Team HRC)がまたもや驚愕のタイム。従来のコースレコードを1秒2も上回る1分25秒641をたたき出してポールポジションを獲得。その流れのままレース1を制してポール・トゥ・ウィン!2位にはチームメイトの野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)との激しいバトルを制した中須賀克行、3位に野左根航汰。

「前戦鈴鹿は自分たちだけ事前テストがあったから勝てたと思っている人が多いと思うので、それを覆したかった」と高橋。この言葉の裏にはマシンパッケージも高橋自身も勝てる状態にあるという自信が見える。予選2番手には野佐根、1分26秒041。予選3番手に中須賀、1分26秒322。マシンセットを変えて野佐根には合ったが中須賀には合わなかった。予算4番手に渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)1分26秒410。予選5番手に加賀山就臣(ヨシムラスズキMOTULレーシング)1分26秒542。

予選6番手は岩戸亮介(Kawasaki Team GREEN)1分26秒568。予選7番手:水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)1分26秒682。予選8番手:渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTULレーシング)1分26秒756。予選9番手:前田恵助(YAMALUBE RACING TEAM)1分26秒978。予選10番手:関口太郎(TeamATJ)1分27秒789。予選9番手までが26秒台。しかも、4番手までが従来のコースレコードを超えるタイム。今年は全体的にタイムが向上している。

気温28度、路面温度51度(手元計測)、今シーズン一番の暑さの中、25周による決勝レース1がスタート!

ホールショットは高橋が奪う。加賀山がロケットスタートを決めて5番グリッドから2番手で第1コーナーに進入、野佐根、渡辺一馬、中須賀と続く。馬の背で中須賀が渡辺一馬をかわしてひとつポジションアップ。オープニングラップは、高橋、加賀山、野佐根、中須賀、渡辺一馬、岩戸、渡辺一樹、水野、前田、秋吉耕佑(au・テルルMotoUP RT)の上位10台。

2周目の1コーナーで野佐根が、バックストレートで中須賀が、それぞれ加賀山をパス。トップを行く高橋を追うがすでに約2秒の差が開く。「序盤から飛ばして後続を引き離したい」と考えていた高橋は2周目に1分26秒台に入れると4周目に1分26秒0492の信じられないファステストラップをマークして独走状態に入る。

2番手、3番手のヤマハファクトリー2台。絶対王者中須賀の壁を乗り越えたい、と常々コメントしている野佐根が中須賀を抑えて2番手を走行する。この2台のラップタイムは10分の1秒まで一緒のテール・トゥ・ノーズを15周に渡って展開。16周目の1コーナー、オーバースピードで進入した野佐根がラインを外したイン側を中須賀が刺して2番手に浮上。しかし野佐根も食らいつく。ピタリと背後につけて19周目の馬の背で中須賀をパスする。しかし20周目の1コーナーで再び中須賀がかわしてそのまま中須賀2位、野佐根3位でチェッカーを受ける。

その後方では加賀山、渡辺一馬、渡辺一樹、岩戸、水野による4位争いを展開。加賀山が徐々に遅れ始め、岩戸は1コーナーオーバーランで順位を落とし、渡辺一樹は14周目のシケインで転倒、戦列を離れた。残る水野と渡辺一馬が激しいバトルを展開する。20周目に渡辺一馬が水野をかわして4番手、ファイナルラップを迎える。1コーナーで水野がパス、4コーナーで渡辺がインをつくも立ち上がりでスーッと水野が渡辺をかわして勝負あり、水野4位、渡辺一馬5位でチェッカーを受ける。

6位に加賀山、7位:岩戸、8位:前田、9位:秋吉、10位に今シーズン初のトップ10入りを果たした関口太郎の上位10位であった。


高橋巧記者会見コメント

「事前テストからタイム的にはある程度仕上げられて、ウィークに入っても順調にタイムは伸びていったのですがここまで路面温度が上がるとは思っていなかったのでそこが辛かったです。スタートを失敗せず序盤の1-2周にできるだけ飛ばして、あとは如何にペースを落とさないか、という作戦どおりの展開になったと思います。レース中盤くらいまでは1分26秒の前半から中盤で走行できましたがバックマーカーが出てきて27秒台に落としたら(26秒前半に)戻すのが大変でした。もう少し安定すると思っていました。ですが優勝できて満足です。明日は温度が今日以上に上がる予報なので今日以上に厳しいレースになると思います。それに如何に早く対応できるかが、勝負のポイントになると思います。明日も優勝を目指して頑張ります。」

中須賀克行者会見コメント

「今ある状況の中ではベストを尽くせたかな、と思います。今シーズン、マシンを変えてきてレベルアップしたと思っていました。開幕戦で2連勝して良い流れに乗れると思っていたのですが、第2戦鈴鹿、ここSUGOと悪い面が出てきてしまった感じです。ですが高橋選手を楽して勝たせるわけにはいかないので明日のレース2では最後まで諦めずにプッシュして頑張ります。野佐根選手との2位争いは前に出てペースを上げようと思ったのですがスリップから抜けて前に出ると上手くリズムを掴めず苦労しましたが2位でゴールできました。明日も野左根選手と共に高橋選手を攻めたいと思います。」

野左根航汰記者会見コメント

「事前テストは走り出しから1分26秒5を出せたので、正直言って“すぐに25秒台に入れられるな”と思ったのですが、そこからタイムが伸びず、現在その問題解決に取り組んでいます。今日は中須賀選手が自分を引っ張ってくれながらも競ることができました。自分は最終シケインの立ち上がりが遅いのでスリップにつかれて並ばれそうになったときにブレーキングを遅らせたら突っ込み過ぎてしまいその隙に中須賀選手に抜かれてしまいました。自分も何度か仕掛けたのですが最後は追いつけませんでした。」

 

全日本ロードレース第3戦「SUPER BIKE RACE in SUGO」の決勝レース1上位10位は以下の通り。

優勝:#13 高橋 巧 Team HRC
2位:#1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3位:#4 野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
4位:#634 水野涼 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
5位:#11 渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN
6位:#12 加賀山就臣 ヨシムラスズキMOTULレーシング
7位:#64 岩戸亮介 Kawasaki Team GREEN
8位:#75 前田恵助 YAMALUBE RACING TEAM
9位:#090 秋吉耕佑 au・テルルMotoUP RT
10位:#44 関口太郎 Team ATJ

Photo & text : Toshiyuki KOMAI