2019全日本ロードレース第4戦筑波 決勝レース2

2019/06/24

名越哲平、今シーズン2度目のポール・トゥ・ウィン!ランキングも単独トップに。

名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)が作本輝介(Team髙武RSC)、榎戸育寛(SDG Mistresa RT HARC-PRO)の追撃を振り切り、今季2度目のポール・トゥ・ウィン!ランキングも単独トップに躍り出る。2位に作本、レース1優勝の榎戸は3位。

このウィークは天候が安定せず決勝日も雨が心配されたがJ-GP3クラスまではドライコンディション。J-GP2クラスが始まる直前にポツポツと降ってきたので「またか」と懸念したがすぐに止んでドライのままレース2がスタートした。

ホールショットは名越が奪う。2番手小谷咲斗(TEAM PLUSONE with TARO)、3番手岩崎哲朗(OGURA CLUTCH with RIDE IN)、4番手に作本の順に2コーナーを立ち上がり、レース1優勝の榎戸はスタートでミスして5番手。

第1ヘアピン進入で作本が岩崎をパス、さらに2周目の1コーナーで小谷をパスすると2番手に浮上。トップを行く名越を追いかける。序盤は作本の方がペースが速い。そして5周目の1コーナー、名越のインに飛び込むとトップを奪う。「他人のペースでレースをしたくなかった。いけるときは前に出て引っ張る展開をしたかった」と作本。しかしこの直後、コース上に雨が落ち始める。

各コーナーでは降雨を知らせるレッドクロス旗が振られる。昨日のような雨が降ってくれば赤旗中断、再スタートとなる。しかし路面を濡らすほどの降りではなくやがて雨は止んだ。榎戸は5周目の1コーナーで3番手に浮上すると前を行く名越、作本の追撃態勢に入る。

先頭グループは、名越、作本、榎戸、小谷、この4台に絞られた。

2番手に下がり、コース上に雨が落ちてきた状況の中、名越は冷静に路面からのインフォメーションを感じていた。そしてこの状況なら行ける、と判断するとラップタイムペースを57秒後半から57秒中盤へ上げる。そして10周目の1コーナーでトップを奪い返すと14周目に57秒354のファステストラップをマーク。ペースの上がらない作本との差を広げてトップチェッカー!今季2回目のポール・トゥ・ウィンを飾る。第3戦SUGO終了時点で作本と同ポイントで首位だったがこれでランキング単独トップに躍り出た。

2位には悔しい作本、思うようにペースが上がらない作本を榎戸が15周目にかわして2番手に浮上するも、榎戸もペースを上げられず苦しんでいたため翌16周目に抜き返されて3位でフィニッシュ。4位に小谷、5位に岩﨑、の上位5台であった。

優勝:名越哲平選記者会見コメント

「金曜日のフリー走行からドライには自信がありました。雨がいつ降ってくるのかわからないので早めにプッシュして後続を引き離し、いつ赤旗が出ても良いように準備したかったのですがなかなかペースを上げられず苦しい展開でした。自分自身を落ち着かせて、この雨だったら大丈夫、と確信してからはペースを戻して優勝することができました。冷静にレース運びができたことが良かったのだと思います。今は嬉しい気持ちとほっとした気持ちが入り交じっています。

Moto2のスポット参戦で学んだ事はたくさんありますがまだ自分の中で消化できていない部分が多々あります。昨日のレースもそれを現していると思います。もっと多くのことを吸収して後半戦で成果を出せるように努力したいと思います。」

2位:作本輝介記者会見のコメント

「スタートは良くなかったのですが周回を重ねるごとに順位を上げてトップに立つことはできました。しかしそこからペースを上げることができませんでした。抜き返されたからは逆に差を広げられてしまい悔しいレースでした。自分はそれほど雨は気になりませんでした。他人のペースに合わせて走るようなレース展開はしたくなかったのでいける時は前に出て自分が引っ張るような展開をしたかったのですが、最後は抜かれてしまいとても悔しいです。」

3位;榎戸育寛記者会見コメント

「スタートに失敗して徐々に徐々に順位を上げていったのですがペースを上げることができず、後半になってもそれが響いてしまい勝つことができませんでした。悔しいレース結果です。次戦は負けないように頑張ります」

ST600クラスはエントリー台数43台。予選で30台に絞られたが混戦は必至であった。その混戦を制したのは岡本裕生(51ガレージニトロレーシング)。「ドライでもウェットでも自信はあった」と言う岡本はホールショットを奪うと後続との差を広げ、終盤に猛追してきた小山知良(日本郵便Honda Dream TP)を振り切り、一度もトップを譲らないままポール・トゥ・ウィン、今季2勝目を挙げた。

 

J-GP3クラス決勝レース2は、激しくトップ争いが変わる中、一時4番手まで順位を落とした長谷川聖(CLUBY’s)が逆転で優勝を決めた。開幕戦に続いて2勝目。

 

全日本ロードレース選手権シリーズ第4戦in 筑波のJ-GP2クラス決勝レース2上位10位は以下の通り。

優勝:#634名越哲平MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
2位:#4 作本輝介 Team髙武RSC
3位:#71 榎戸育寛 SDG Mistresa RT HARC-PRO
4位:#22 小谷咲斗 TEAM PLUSONE with TARO
5位:#70 岩崎哲朗 OGURA CLUTCH with RIDE IN
6位:#392 尾野弘樹 ミクニ テリーアンドカリー
7位:#14 阿部恵斗 Webikeチームノリックヤマハ
8位:#36 徳留真紀 マルマエMTR
9位:#19 井手翔太 HITMAN RC甲子園ヤマハ
10位:#18 豊島怜 SpeedHeart DOGFIGHTR YAMAHA

Photo & text : Toshiyuki KOMAI