2019年鈴鹿8耐 公式予選・トップ10トライアル

2019/07/28

トップ10トライアルは台風の影響で中止。公式予選結果でグリッドが確定。ポールポジションはYAMAHA FACTORY RACING TEAM2番手Kawasaki Racing Team3番手Red Bull Honda

ホンダ、ヤマハ、カワサキ、メーカーの威信を賭けたワークスバトルが期待される今大会。YAMAHA FACTORY RACING TEAMが鈴鹿8耐5連覇を達成するか、ワークス2年目、今年の全日本ロードレースでは敵無しと言ってもいいくらいの強さを持つRed Bull Honda、ワールドスーパーバイク世界チャンピオンを擁したKawasaki Racing Teamのワークスに加えてプライベーターながらスズキのワークスと言ってもいいヨシムラスズキMOTULレーシング。4メーカーのバトルも見所の一つとなっている。

先ずはトップ10トライアル進出をかけた公式予選が行われた。

レースウィークに入って発生した台風6号の遠い影響で雨が心配されたが朝から真夏の日射しが照りつける好天。路面温度もぐんぐん上昇して50度を超えた。午後に雨が降るとの予報から1本目の予選にタイムを出す戦略を取るチームが多かった。予選スタート1アタック目でタイムを出してきたのが中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)いきなり2分5秒922の5秒台には場内騒然となる。

計時予選で11番グリッド以下が決定、上位10代は明日のトップ10トライアルで決定する。ライダーブルー、ライダーイエロー、ライダーレッド、の順番に各20分ずつの2本のタイムアタックを行い、ベストタイムを合算して平均タイムを算出する。

公式予選トップはYAMAHA FACTORY RACING TEAM。ライダー3人の団結力はナンバーワンと言って良いほどチームはまとまっている。WSBKで負ったケガが心配されたマイケル・ファンデル・マークは「ケガの影響は無い」と言い切り今大会に出場している。ヘルメットデザインを尊敬するケニー・ロバーツさんと同じにしたアレックス・ローズ:2分6秒629、マイケル・ファンデル・マーク:2分7秒306。平均タイムは2分6秒619。

公式予選2番手はKawasaki Racing Team。昨年2分5秒168をマークしたジョナサン・レイに注目が集まる。しかし「予選のタイムやトップ10トライアルに大きな拘りは無い、見ているのは鈴鹿8耐優勝だけ」というジョナサン・レイはしゃかりきにタイムを削ることはなく2分6秒495。レオン・ハスラム:2分6秒706、トプラック・ラズガットリオグル:2分6秒698、3人とも6秒台なのはKRTのみ、平均タイム:2分6秒633。

公式予選3番手はRed Bull Honda。事前テストでは圧倒的な速さを見せつけ、それでも「まだ満足できるレベルではない」とマシンの造り込みを行っていた高橋巧。レースウィークに入るとテストに参加できなかった清成龍一とステファン・ブラドルを中心に走り込みを行い3人のセットを合わせる。高橋も1本目の予選でタイムを削りたかったが、2分5秒台も見えたセクタータイムで走行中に赤旗掲示。セカンドアタックでマークした2分6秒200がベスト。清成龍一:2分7秒955、ステファン・ブラドル:2分7秒165、平均タイム:2分7秒106。

公式予選4番手はMuSASHi RT HARC-PRO. Honda。今シーズン、成長著しい水野涼:2分7秒265、ハルクプロ2年目のドミニク・エガーター:2分6秒501、そして英国スーパーバイク選手権に参戦中のチャビ・フォレス:2分7秒783、平均タイム:2分7秒183

公式予選5番手はヨシムラスズキMOTULレーシング。鈴鹿8耐優勝経験のあるベテラン加賀山就臣:2分7秒372、チーム内で一番速い渡辺一樹:2分6秒965、ヨシムラから2度目の参戦となるシルバン・ギュントーリ:2分7秒226、平均タイム:2分7秒187。

2年連続で台風の影響を受けることになった鈴鹿8耐。翌土曜日は朝から雨。雨風共に強く午前中に行われた鈴鹿4耐は3時間で終了。トップ10トライアルは40分間の計時予選に変更されたが、結局全ての走行がキャンセルされた。トップ10トライアルは鈴鹿8耐だけのローカルルールでショー的な要素が多いが、1周だけのタイムアタックは目を見張るものがあり楽しみにしていたお客様も多い。特に今年から5位まではEWC年間ランキングび加算されるポイントが付くのでF.C.C. TSR Honda Franceは走行してポイントを稼ぎたかったはずである。

2018-2019 FIM世界耐久選手権シリーズ最終戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース 公式予選上位10位は以下の通り。

1:YAMAHA FACTORY RACING TEAM 平均タイム:2分6秒619
2:Kawasaki Racing Team 平均タイム:2分6秒633
3:Red Bull Honda 平均タイム:2分7秒106
4:MuSASHi RT HARC-PRO. Honda 平均タイム:2分7秒183
5:ヨシムラスズキMOTULレーシング 平均タイム:2分7秒309
6:YART YAMAHA 平均タイム:2分7秒309
7:F.C.C. TSR Honda France  2分7秒478
8:au・テルルMotoUP RT 平均タイム:2分7秒916
9:エスパルスドリームレーシングIAI 平均タイム:2分8秒311
10:KYB MORIWAKI MOTUL RACING 平均タイム:2分8秒758

photo & text : Toshiyuki KOMAI