全日本ロードレース第3戦SUGO 決勝レース

2021/05/24

中須賀克行、連勝記録を伸ばして5連勝。2位に濱原颯道、3位に清成龍一。

前日のレース1が濃霧のためキャンセルとなり、日曜日の早朝も霧が濃く心配されたが、次第に晴れて路面もドライコンディションとなった。決勝レース2は中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝、開幕から5戦連続優勝を飾る。2位に濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)、3位に清成龍一(Astemo Honda Dream SI Racing)。最後まで2番手争いをしていた亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)はファイナルラップで転倒を喫してしまった。

西の空に灰色の雲が広がり一抹の不安を抱えながら決勝レースがスタート!ホールショットは中須賀が奪う。2番グリッドの津田一磨(BabyFace POWERED by YOSHIMURA)がやや出遅れた隙に4番グリッドの秋吉耕佑(MURAYAMA.TJC.RT)が2番手、濱原が3番手で1コーナーに進入する。2コーナー立ち上がり加速で清成が濱原をパス、3番手浮上。その先の3コーナーで津田が転倒。マシンがコース上に残ったためセーフティカー(SC)を導入する。レース1でポールポジション、レース2では2番グリッドを獲得。どんなレースを展開するのか楽しみだっただけに残念である。

SCは3周終了時点で解除。4周目に再スタートが切られた。するとここで猛ダッシュを決めてトップに立ったのが清成。再スタート後の順位は、トップ清成、以下、中須賀、亀井、濱原、秋吉、加賀山就臣(Team KAGAYAMA)、名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)、柳川明(will raise racing RS-ITOH)、中富伸一(Waveinn-R)、岩田悟(Team ATJ)の上位10台。

清成の背後にピタリとつけた中須賀は6周目のホームストレートで清成をパスしてトップを奪回。不安定な天候なのでいつ降雨による赤旗になるかもわからないので、その時に良い位置にいられるように早めに仕掛けた。ペースを上げて7周目にはひとり1分27秒台に入れる。その後も27秒台を連発、12周目にはファステストラップの1分27秒504をマークして独走態勢を築く。

2番手争いは清成、亀井、濱原による3台。1分28秒前半のラップタイムで接近戦を展開。10周目の馬の背コーナーで亀井がオーバーラン、濱原が3番手に浮上する。濱原は清成の背後からプッシュ、14周目のシケインで清成をパス、2番手に浮上する。そこに、一度は間隔が開いた亀井が近づいてくる。亀井は15周目のシケインで清成をパスして3番手に浮上、清成は4番手にポジションダウン。

3番手にポジションアップした亀井は濱原を背後から突っつく。20周目のホームストレートではインサイドからレイトブレーキングで濱原をパス、しかし1コーナーで突っ込み過ぎてクロスラインから濱原に抜き返される。この2台のデッドヒートはこの後も続き23周目の馬の背コーナーの進入でついに捕らえて亀井が2番手に浮上する。

トップ独走する中須賀は、コンスタントに27秒台で周回。そのまま2位に9秒87もの大差をつけてぶっちぎりの優勝。開幕から5戦連続の優勝を飾る。亀井、濱原の2番手争い。ファイナルラップの馬の背コーナーでなんと亀井が転倒、濱原が2位でチェッカー。3位に清成。

4位は加賀山。序盤、秋吉との5番手争いを展開。秋吉を攻略するのに時間がかかってしまい、レース中盤以降またもやチャタリングに悩まされペースを上げられず前との差を詰められなかった、と言う。

5位は名越哲平。柳川、岩田、関口との7番手争いを制した。JSBにスイッチして1年目。まだブリヂストンタイヤの使い方に苦戦しているが、徐々に体得してきている。

このウィークは雨と霧に翻弄された。事前テストでドライは走っていたが、路面コンディションは微妙に違い、上手くドライの合わせ込みをまとめるのが難しかったようである。JSBは前半戦が終了。約一ヶ月半のインターバルを空けて7月17日(土)18日(日)に鈴鹿サーキットで開催される。

優勝:中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)記者会見

「昨日のレース1は悪天候の中ファンの方も来ていただいたのに非常に残念でした。今日の優勝はそういう意味では嬉しさひとしおです。ヤマハのホームコースですし。ウェットなウエット、ドライなドライという、ちゃんとした条件でレースしたかったので、ドライでレースできてよかったかなと思います。
天候はいつ雨が降るかもわからない状態だったので、早い段階で前に出て、規定の周回数が来たら手を挙げようと思っていました。今回上位4人のタイム差が少ないので混戦になると思いました。SUGOは抜きどころが少ないので、今回は集団を少なくする作戦をとりました。ですので序盤からプッシュしました。それがはまったと思うので良かったです。
湿気のせいなのかタイヤのグリップ感があまり良くなかったです。テストの時は30周、40周と走りましたがその時と比べても今日の25周の方がタイヤが荒れていました。タイヤのマネジメントをしながらしっかりと自分の走りに集中できたことが良かったと思います。前半戦を勝利で締められて良かったです。」

2位:濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)記者会見

「2位表彰台は自己最高位なので嬉しいです。でも25周は長かったです。サイティングラップであまりグリップしないなと感じて焦ったのですがSCが入って少しホッとしました。落ち着いて1台ずつ抜いていって目の前に清成選手が出てきたときは「どうしよう」と思いました。シケインで少しはらんだ隙に「こんな機会滅多もないので」インに飛び込みました。抜いた後に残り10周囲上あるのかと思うと長かったです。
亀井選手が来ることはわかっていました。抜かれた後ちょっとミスして離されてしまいました。SUGOは体重差がでやすいところなので多分苦戦すると思っていました。タイヤも痛みやすいのでできればウェットが良かったのですが。桜井ホンダはバイクショップのチームなので雨でもドライでもしっかり走れるところを見せられた良かったです。」

3位:清成龍一(Astemo Honda Dream SI Racing)記者会見

「悔しいですね。亀井選手の転倒がなかったらここにはいません。自分にはペースがなくてもう少し中須賀選手と絡んだ面白いレース展開をしたかったのですが。事前テストから大きな変更をやってきたのですが、まだ上手くまとめられていません。レース後半に(1分)27秒台に入れられたのは良かったかな、と思います。チームには自分のやりたいことを言ってセットアップしてもらっているのですが自分がまだ乗れてなくて申し訳ない気持ちです。後半戦に向けてしっかりとまた対策を講じて準備したいと思います。」

 

全日本ロードレース第3戦SUGO レース2の上位10台は以下の通り。

優勝:中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ
3位:清成龍一 Astemo Honda Dream SI Racing
4位:加賀山就臣 Team KAGAYAMA
5位:名越哲平 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
6位:柳川明 will raise racing RS-ITOH
7位:関口太郎 SANMEI Team TARO PLUSONE
8位:秋吉耕佑 MURAYAMA.TJC.RT
9位:岩田悟 Team ATJ
10位:児玉勇太 Team KODAMA

Photo & text : Toshiyuki  KOMAI