Snapshot⑩-加賀山就臣:涙のTeam KAGAYAMA初優勝2012年SUGOラウンド-

2020/05/29

新型コロナウィルスの影響で2020年の開幕を迎えられない全日本ロードレース選手権。感染し亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、感染された方々の早期回復と皆様の健康をお祈り申し上げます。

Racing Heroesでは過去に撮影した写真の中から独断と偏見でセレクト、その時のエピソードと共にランダムに掲載していきます。

2012年全日本ロードレース第6戦SUGO。ゴール後に涙する加賀山就臣がいた。

日本人として初めてBSB(ブリティッシュスーパーバイク選手権)にフル参戦、2005年からはWSBK(ワールドスーパーバイク選手権)とずっと世界の舞台で闘っていた加賀山が「日本への恩返し、全日本を盛り上げたい」と自らのチーム『Team KAGAYAMA』を立ち上げたのが前年の2011年。初年度はランキング4位。

2012 年、体制をガラリと変えた。一番大きな変革はダンロップタイヤにスイッチしたことだろう。BSBではダンロップを履いていた加賀山。ヨシムラから参戦した鈴鹿8耐ではブリヂストンを履いていたが元々ダンロップとの付き合いが長い。しかし全日本ロードレースではブリヂストンが2010年、11年とチャンピオンを獲得しており、2012年も上位10チームのほとんどがブリヂストンであった。

そんな逆境の中で加賀山はダンロップのタイヤ開発を担いながら闘う。予選ではコースレコード(中須賀克行)からコンマ3秒差の2番グリッドを獲得する。決勝レース。タイヤ温存の戦略を取りながらも先行するブリヂストン勢をいつでも追撃できる位置で走行、これが功を奏する。レース中盤、タイヤがキツくなってきたトップ勢に対し加賀山はペースアップ。終盤の中須賀との一騎打ちを制してTeam KAGAYAMAとしてJSB1000クラス初優勝を飾る。この勝利でシリーズランキングも2番手に浮上した。

常にチーム、スタッフ、スポンサー、そして全日本ロードレースのことを考えている加賀山。みんながアッと驚くサプライズを数多く仕掛けてきた。加賀山の懐の深さと優しい人柄は多くの人を魅了する。

今年、Team KAGAYAMAは大きな変革を行った。タイヤをブリヂストンにスイッチしたのだ。長年ダンロップタイヤに慣れてきた加賀山がどうやってブリヂストンタイヤを履きこなすか、そこも注目の一つである。

Photo & text : Toshiyuki KOMAI