「ウェビック チームノリック ヤマハ 2022年チーム体制」発表会

2022/03/17

 

神奈川県横浜市・株式会社リバークレインで「ウェビック チームノリック ヤマハ 2022年チーム体制」発表会が開催された。

「世界で通用する日本人ライダーを育てたい」。ノリックの愛称で親しまれた故・阿部典史選手の強い要望により2006年に設立されてから今年で16年目を迎える。

そのノリックの長男:阿部真生騎が全日本ロードレースにフル参戦する。しかもST600クラスとJSB1000クラス(2戦スポット)とのダブルエントリー。

青田魁は昨年に引き続き筑波、もてぎ、SUGOの地方選手権に参戦する。国際ライセンス取得の資格を保持しているのだが今年一年数多くのレースに参戦して来年の全日デビューを目指す。

阿部真生騎(18歳):全日本ロードレースST600クラス、JSB1000クラス(スポット参戦)

昨年までは地方選手権を中心に経験を積んできた阿部真生騎がいよいよ全日にフル参戦する。しかも今年はチームのエースとして。その顔つきも凛々しくなってきた。

「昨年はあまり良い結果が残せませんでしたが、シーズン後半から徐々に上向いてきました。昨年後半から1,000ccバイクにも乗って走り込みをしていますので、だいぶ慣れてきました。

今年は1日でも早く表彰台に登れるようにしっかりと走りたいです。そしてチャンピオン争いにも絡んでいきたいです。」

「ST600クラスがメインですのでJSB1000クラスは転倒しないようにして、他の選手の走りを見て学んでいきたいと思います。」

普段のトレーニングの結果を活かせれば(ST600クラスで)勝てるチャンスはあると思っています。JSB1000マシンは600 と違って制御が効いているので難しいです。そこに早く慣れてST600で勝てるようになりたいです」

青田魁(16歳):筑波ロード選手権、もてぎロードレース選手権ST600クラス 他

2017年に、わずか12歳でチームに加入した青田魁。S80、J-GP3クラスを経て昨年ST600クラスにステップアップ。元気の良さから転倒も多いがポテンシャルは高いライダーだ。

「まずはこのような環境を与えてくださったチームの皆様、スポンサーの皆様、そして応援してくださった皆様に感謝申し上げます。

「去年の最終戦では2位表彰台獲得、59秒代に入るなど上向きに仕上がってきたのですが、先月の練習でアクセルの開けっぷりが良すぎて転倒してしまいました。そのため先週の筑波ロードレース選手権開幕戦に参戦できず残念でした。

リハビリを兼ねて昨日もてぎのスポーツ走行に参加しました。まだ握力がなくて心配だったのですがそれ以外は問題なかったので今週末のもてぎ選手権開幕戦には参戦して表彰台を目指したいと思います。

SUGOは未経験なのでスポーツ走行に参加してセット出しをして開幕から表彰台争いに加わりたいと思います。応援を何卒よろしくお願いいたします。」

阿部光雄監督

「2006年に設立した「ウェビック チームノリック ヤマハ」の初期のメンバーである野左根航汰が、昨年ワールドスーバイク選手権に参戦しました。初年度ということもあり苦戦しましたが今年は活躍すると確信しています。

昨年まで在籍していた阿部恵斗は前半苦しみましたが後半戦からはポールポジション獲得、表彰台に2度上り調子を上げ、今年はチャンピオンを狙える位置に行くと思います。ウェビック チームノリックでは全日本を3年経験したら卒業としていますが、一年延長しました。今年は他チームで活躍してほしいと願っています。

阿部真生騎はまだまだ経験も力も不足していますが昨年に比べて相当成長しています。さらなる飛躍を願ってチームの柱として全日本ST600フル参戦を決めました。

また、開幕戦からSUGOまでの間がかなり空いてしまうので、鈴鹿2&4、オートポリス2&4にJSB1000クラスでスポット参戦する予定です。」

「青田魁は昨年ST600デビューでしたが序盤のケガが影響して前半戦は苦しみましたが後半戦から調子を上げてきました。元来ポテンシャルの高いライダーですので今後も期待できます。国際ライセンスの資格はあるのですが、今年一年は修行ということでもてぎ選手権でチャンピオンを獲って来年に繋げたいと思います。

まだまだ若い2人ですがポテンシャルは無限大だと思っています。小さなチームですが、多大なる協力をいただいている株式会社リバークレインさんをはじめ、たくさんの応援していただいている皆様に感謝しております。チーム一体となって2人のチャンピオン獲得を目指して全力で進んでまいりますので応援のほど、何卒よろしくお願いいたします。」

信濃孝喜 株式会社リバークレイン代表取締役社長

2010年から長きに渡りサポートを続けている株式会社リバークレイン。信濃社長の熱い思いがチームに伝わり阿部監督との良い相乗効果を生んでいる。

「チームノリックの「若いライダーを育成する」というビジョンに共感してサポート開始から今年で13年目を迎えます。世界に通用する若いライダーは着実に育っています。

野左根航汰選手は昨年から世界の舞台WSBKで活躍し、岡本裕生選手はヤマハファクトリー入りが決まり、ケミン・クボ選手も今年からMoto2を走ります。阿部監督の指導方法が間違っていないことを証明していると思います。そしてこの流れはこれからも若いライダーの登竜門、育成機関として継続することを願っています。そして阿部真生騎選手、青田魁選手も先輩たちに続いて世界に羽ばたいて欲しいと思っています。」

「また、ウェビックとして全日本ロードレースを盛り上げていきたいと思っています。その一環としてレースのライブ中継を配信している「モトバトル」に協賛いたします。さらにウェビックのサイトでも全日本の視聴者が増えるような仕掛けを行っていきたいと思います。その他EWC、JNCCのサポートも継続していきます。

コロナかも明ける兆しが見えてきていると思います。リバークレインとしてレースのデジタルトランスフォーメーションを仕掛けてこの業界全体を盛り上げたいと思っています。これらかも何卒よろしくお願いいたします。」

チーム設立当初から一貫して「世界で通用するライダーを育成したい」という目標にからブレずに活動をしているチームノリック。そして、その姿勢に共感してサポートを続けているリバークレイン。この良好な関係だから世界に通じる若いライダーを輩出することができているのだろう。そしてノリックのような世界中から愛され、活躍するライダーが生まれてくることを期待したい。

Photo & text : Toshiyuki KOMAI