2022全日本ロード第2戦鈴鹿 決勝レース1

2022/04/24

レース1。中須賀克行がポール・トゥ・ウィン!2位:渡辺一樹、3位:岡本裕生

第2戦レース1、やはり中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)のマッチレースとなり、渡辺の一瞬のミスを逃さずトップに立った中須賀が逆転で優勝。ポール・トゥ・ウィンを飾る。3位には岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)とのバトルを制してドライで表彰台に登った。

2&4レース時の予選は朝8時15分から始まる。通常のスケジュールなら朝フリーの時間帯だ。四輪が走った後の路面コンディンション変化に戸惑うライダーが多い中でAグループ、Bグループそれぞれ30台ずつがタイムアタックを行う。Aグループ開始早々中須賀がいきなり2分6秒台に入れて周囲の度肝を抜く。渡辺も2分6秒060と5秒台も見えるタイムで迫るが残り4分で中須賀が2分4秒907の驚速タイム!ポールポジションを獲得する。Bグループのトップは亀井の2分6秒651。自己ベストを更新した。濱原颯道(Honda Dream RT桜井ホンダ)もこのウィークベストの6秒台に入る2分6秒801。

予選の総合結果はポール:中須賀、2番手は渡辺、3番に手亀井、4番手に濱原、5番手に日浦大治朗(Honda Suzuka Racing Team)と続く。

決勝レース1は14時5分にスタート。ホールショットはロケットスタートを決めた亀井が奪う。濱原がスプーンコーナー進入で亀井のインを刺すがクロスライン。しかし再度クロスラインから亀井の前に出る。だがスリップに入った亀井はバックストレートでトップを奪い返す。その後方で渡辺が濱原をパスして2番手に浮上。オープニングラップは亀井が制する。以下、渡辺、濱原、中須賀、岡本、作本輝介(Astemo Honda Dream SI Racing)、國峰啄磨(TOHO Racing)、日浦、榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)、岩田悟(Team ATJ)の上位10台。

2周目のホームストレートで渡辺が亀井を抜き去りトップに立つ。

レースをリードする渡辺。中須賀は3つ後ろの4番手。ペースアップして差を広げるかと思いきやその逆でラップタイムが安定しない。2分6秒後半で走ったかと思えば2分8秒中盤でラップ。もちろんタイヤマネジメントもあるが、中須賀を前に出させたかった。自分が前で風除けになるよりは前に出させて少しでもタイヤを消耗させたかった。敢えてリズムを変えて走ったのだが中須賀はそれには応じず後ろから渡辺の様子を伺っていた。

9周目のヘアピン進入、渡辺がラインを外したのを見逃さず中須賀はトップに立つ。このウィークの流れから 2分6秒台でラップしたら後半タイヤが厳しくなるのはわかっていたのでタイヤマネジメントが一つのキーになると考えていた。序盤トップに立てたら自分のペースで走るつもりだったが渡辺が前に出たので後半にスパートをかける作戦に切り替えた。渡辺も同じ作戦だと踏んだ中須賀は我慢比べになると思い背後からチャンスを伺っていた。

トップに出た中須賀は2分6秒台にペースを上げる。11周目にはファステストラップ2分6秒201をマークする。このスパートに渡辺も反応。すぐに6秒台に入れて同じ11周目にベストの2分6秒349をマーク。しかし中須賀のプッシュは続き徐々に差は開いていく。そのまま中須賀がトップチェッカー。開幕から3連勝を飾る。

ここまで?と言うくらいまでペースを落としてリズムを崩し優位にレース展開を図りたかった渡辺だが中須賀には通じず2位であった。

四輪走行後の路面変化を初めて経験した岡本。序盤は路面に走りをアジャストすることができずラップタイムペースが上がらなかった。しかしレース中に走り方を変えるとペースが上がる。序盤は6番手を走行していたがレース後半に3番手表彰台圏内に順位を上げた。「ウィーク中は単独走行が多く集団で走ったことがなかったので他のライダーの走りを見ながら自分の走り方を変えていった」と言う。「勝てるマシン・環境に置いてもらっているのにそのレベルまで達っしていないのが悔しいですけど、レース毎に自分の成長を実感できている」岡本は表彰台に上がることで自身もついていくだろう。

予選までは良い流れだったと言う亀井。ホールショットを決めたがストレートで渡辺にかわされる。渡辺のペースコントロールした展開に前に出ることができず、後半ペースを上げた時についていけなかった。岡本と3位争いをしていた時に焦りからかギア抜けをしてしまいその周は9秒後半まで落ちてしまう。ここで差が開いていまい悔しい4位となった。

昨日までの良い流れが今日は変わってしまったという日浦。オープニングラップは9番手まで順位を落とすが徐々に上げていき、11周目にチームメイトの濱原をかわして5位入賞を果たす。

優勝:中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)記者会見

「スタートはまずまずでしたが、最初の数周はやはり路面コンディションが予選のときとは変わっていて、走りにくい状況が続きました。リズムをつかめだしてからは、後ろについてタイヤを温存させようと考えましたが、渡辺選手も同じ考えだったようです。渡辺選手が小さなミスが出たところで前に出て、そこからは最後までプッシュして全力で走り切ることができました。我慢比べになるかなと思いましたが優勝できて非常に良かったです」

「悔しいという言葉しか出てこないです。明日もレースがあるのであんまり喋りたくなと言うのが正直なところです。本当にいろいろ試し、いろいろなアプローチをしてみたのですが、中須賀選手は動じませんでした。今日のレースで課題もしっかり見えたので明日のレースに向けてしっかり準備して今度こそ勝てるよう頑張りたいと思います。」

「序盤に順位が下がってしまったのですが、タイヤの感覚を掴み始めてから徐々にペースを上げられるようになりました。トップの中須賀さんと渡辺さんがペースコントロールしているなと思ったので、その間に前に出ようと思っていたのですが、そのペースでも自分には速くて追いつけませんでした。終盤のスパートでは完全についていけなくて離されてしまいました。完全に自分の実力不足です。2&4は今回初めてで、毎回違う路面コンディションが難しいです。明日の決勝は、最後までしっかりと喰らいついていきたいと思います。」

全日本ロードレース開幕戦 もてぎ 決勝レース1上位10位は以下の通り。

優勝:中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2:渡辺一樹 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN
3:岡本裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
4:亀井雄大 Honda Suzuka Racing Team
5:日浦大治朗 Honda Dream RT桜井ホンダ
6:濱原颯道 Honda Dream RT桜井ホンダ
7:岩田悟 Team ATJ
8:作本輝介 Astemo Honda Dream SI Racing
9:國峰啄磨 TOHO Racing
10:関口太郎 SANMEI Team TARO PLUSONE

 

Photo & text:Toshiyuki KOMAI