2022年全日本ロード第5戦筑波 決勝レース

2022/06/27

上原大輝が全日本初優勝!しかしチェッカーフラッグが降られず残念

全日本ロードレース第5戦が茨城県筑波サーキットで開催された。今大会はJ-GP3クラスのみ、予選と決勝を一日で行うワンデー開催となった。予選は朝9時20分からスタート。開幕戦優勝の木内尚汰(Team PLUSONE)、常に上位争いに絡む高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)、前戦SUGOで初表彰台の上原大輝(Team PLUSONE)、若松怜(BOWCS.SRK.Racing)に割って入りポールを奪ったのは昨年度のチャンピオン尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)がただ一人1分を切る59秒923をマーク。今シーズン初のポールポジションを獲得した。

6月とは思えない暑さとなったこの週末、真夏のような太陽が照りつける中、13時30分に25周の決勝レーススタート!

ホールショットは尾野が奪う。上原、木内と続く。尾野は一周目からペースを上げる。「スタートが決まったら前にでてレースを引っ張ろうと考えていました」とオープニングラップで2番手の上原との差を広げた。

しかし思うようにペースが上げられない。後方から上原、木内が迫ってくる。上原は4周目の最終コーナーの立ち上がり加速からホームストレートで尾野に並ぶと1コーナー進入でトップを奪う。

トップに立った上原、背後から尾野がついてくるがペースを乱すことなく淡々と走行を続ける。「後ろから尾野選手がついてきてるのは知っていました。自分は後ろを気にするとミスが出やすくなるのでとにかく自分の走りに集中しました。自分にはペースがあったので自分の走りをすれば勝てるかも、とは思っていました」

上原は後半タイヤが厳しくなってくる時でもペースは落ちない。しかも16周目に1分00秒352のファステストラップをマークし尾野との差を広げる。

迎えたファイナルラップ。上原は堂々とした走りでトップを快走。尾野の背後に木内が迫る。しかしここで赤旗掲示。アジアコーナー立ち上がりで中島元気(Honda Hamamatsu ESCARGOT RT)が転倒。コース上に残った中島のマシンに齊藤太陽(MFD・S-Sports)が乗り上げて転倒した。

レースは23周終了時点での順位でレース成立となった。

上原は全日本初優勝を飾った。しかしチェッカーフラッグが振られることなく「できればチェッカーフラッグを受けたかったです。」と残念そうであった。

序盤トップを走ったものの上原にパスされてからもペースを上げられず苦しいレース展開となった尾野。「抜かれた瞬間に上原選手のペースが良いのがわかりました。しばらくは後ろについて集団の数を絞ろうと思いました。タイヤの状況も見極めようと思ったのですが、レース後半になっても上原で選手のペースが落ちないのでチャンピオンシップを考えて2位狙いに切り替えました」

序盤からトップグループの中で3番手を走行していた木内。尾野に追いつきパスしたいところだがテール・トゥ・ノーズまで迫るものの尾野の巧なブロックで抜くことができずに3位表彰台。「スタートの1コーナーで3番手に落ちてしまいました。レース前半のペースだったらついていけると思ってまいました。しかし後半の上原選手がペースがすごく良いのに対して自分のタイヤはキツくなり離されてしまいました。小野選手に仕掛ける隙がなく、最後の方はついていくのがやっとでした」

J-GP3クラスの次戦は8月のオートポリスと約2ヶ月後となる。

全日本ロードレース第5戦 筑波 決勝レース上位10位は以下の通り。

優勝:上原大輝 Team PULUSONE
2位:尾野弘樹 P.MU 7C GALESPEED
3位:木内尚汰 Team PULUSONE
4位:徳留真紀 MARUMAE MTR
5位:大和颯 team-Syuu
6位:若松怜 BOWCS.SRK.Racing
7位:彌榮郡MARUMAE with Club PARIS
8位:小田喜阿門 56RACING
9位:武中駿 BIKE HOUSE ZERO & Shirakuwaken
10位:三谷然 P.MU 7C GALESPEED

Photo & text:Toshiyuki KOMAI