全日本ロード第4戦 筑波

2023/06/19

尾野弘樹、開幕3連勝!さらに筑波で初優勝を果たす

全日本ロードレース第4戦が茨城県筑波サーキットで開催された。今年も予選と決勝を一日で行うワンデー開催となった。予選は朝8時50分からスタート。序盤に大和颯(BREASTO B-TRIBE RACING)が1分を切る59秒847をマーク。しかし終盤に木内尚汰(Team PLUSONE)59秒796、高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)59秒744を叩き出す。そして筑波は苦手だと言う尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)が59秒688でポールポジションを獲得する。

梅雨の晴れ間、6月とは思えない気温30度を超える暑さとなった筑波サーキット。13時40分に25周の決勝レーススタート!

ホールショットは尾野が奪う。高杉、木内、上江洲葵要(P.MU 7C GALESPEED)と続く。オープニングラップは尾野が制し、木内、高杉、上江洲、武中駿(BREASTO B-TRIBE RACING)、大和のトップ6。

予選7番手だった池上聖竜(TN45 with MotoUP Racing)はグリッド整列時にエンスト、ピットスタートとなった。

トップ尾野の背後に木内がピタリとつけて勝負を仕掛けるがなかなか前に出られない。8周目の1コーナーでインに飛び込むがクロスラインで抜き返される。大和がじわじわと順位を上げ、高杉をかわして3番手につける。コンマ4秒の中に4台がひしめき合っていたが高杉がやや遅れ始める。

一度遅れた高杉だったが再びトップグループに加わり大和の背後にピタリとつけた矢先、1コーナーに進入でスリップダウン転倒。赤旗中断となる。11周終了時点の順位でグリッドに並び14周のレース2とするとアナウンスされた。

ホールショットは再び尾野が奪う。木内、大和、若松怜(JAPAN POST Honda Dream TP)と続く。尾野がややリードを広げてオープンングラップを制し、木内、大和、若松、武中、彌榮郡(MARUMAE with Club PARIS)のトップ6。

2周目の1コーナーで大和が木内をかわして2番手に浮上。若松までの4台がトップグループを形成する。レース1でピットスタートだった池上は12番手まで順位を上げてくる。

4周目の1コーナで木内が転倒、大きく順位を落とす。これでトップグループは尾野、大和、若松の3台となる。

尾野の背後から大和がプッシュする。「自分の方が持ちタイムはあるという自信はありましたが尾野選手に封じ込められました」

「背後から大和選手が来ているのは把握していました。持ちタイムは大和選手にあるのも把握していたので抜かれたら抜き返そうとその場しのぎの戦い方をせざるを得ませんでした」と尾野。

池上は徐々に順位を上げ、武中、彌榮郡と共に4番手争いに加わっていた。10周目の第2ヘアピンで武中をかわして4番手に浮上する。

トップ争いは尾野と大和の一騎討ち。「絶対にここで抜けるというキーポイントがなく、さらに第2ヘアピンの立ち上がりが悪くてバックストレートで離されてしまいました。」と大和。背後からプレッシャーをかけ続けたものの交わすことができず尾野がトップチェッカー!意外だが筑波初優勝を飾った。「この筑波だけは勝てませんでした。第1ヘアピン、第2ヘアピンとカントがついているコーナーを攻略することができず、1コーナーや最終コーナーの平坦なところで差をつけることを考えていました」と尾野。

「やっと勝てて嬉しいですけどレース内容的には大和選手の勝ちだと思っています」

3位に若松。「木内選手が転倒したときにアクセルを戻してしまい、その間に離されてしまいました。」

レース1でピットスタート最後尾だった池上は4位に入る。「エンストが全てを物語っています。でも今年チーム(TN45 with MotoUP Racing)に所属したのでメカニック的な動きが減り、毎戦自分レベルアップを感じています」

※決勝レース後に黄旗区間中の追い越しがあったとして大和に対して30秒ペナルティが付与され19位となり、若松が2位、池上が3位に繰り上がった。

J-GP3クラスの次戦は9月のオートポリスと約3ヶ月後となる。

全日本ロードレース第5戦 筑波 決勝レース上位10位は以下の通り。

優勝:尾野弘樹 P.MU 7C GALESPEED
2位:若松怜 JAPAN POST Honda Dream TP
3位:池上聖竜 TN45 with MotoUP Racing
4位:彌榮郡 MARUMAE with Club PARIS
5位:武中駿 BREASTO B-TRIBE RACING
6位:高平理智 Team TARO PLUSONE
7位:森俊也Team PLUSONE
8位:小田喜阿門 56RACING
9位:松島璃空 BREASTO B-TRIBE RACING
10位:岡崎静夏 JAPAN POST Honda Dream TP

Photo & text:Toshiyuki KOMAI