2019全日本ロードレース第5戦もてぎ公式予選

2019/08/17

高橋巧、ケガを押してのアタックでポールポジション。2番手に中須賀克行、3番グリッドに水野涼

走れるかどうか分からない、と言う状態でサーキット入りした高橋巧(Team HRC)が強靱な走りでポールポジションをもぎ取った。2番グリッド中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)3番グリッドに好調・水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)が入った。

前週のプライベートテストでマシントラブルで転倒、右足に骨折のケガを負った高橋巧。走れるかどうかサーキット入りしてみないと分からない、ともてぎ入りした。しかし前日のART合同テストでは1分49秒339のタイムで5番手につけ、周囲を驚かせた。

迎えた公式予選は朝から台風一過の真夏の太陽が照りつける晴天。今大会はノックアウト予選。エントリー台数29台による計時予選でQ2通過の上位10台を決める。Q2進出した10台のタイムアタックでポールポジションから10番グリッドまでを決定する。

12:15にQ1スタート。序盤に水野が1分49秒142をマークしてリーダーボードのトップに立つ。中須賀が1分49秒381で2番手につけると高橋は49秒461で3番手。その後野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が1分49秒297に入れて3番手に食い込む。しかしQ1の終盤、高橋は1分48秒968とただ一人48秒台に入れてQ1をトップ通過する。Q1通過は、高橋、水野、野左根、中須賀、渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)、渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTULレーシング)、岩戸亮介(Kawasaki Team GREEN)、加賀山就臣(ヨシムラスズキMOTULレーシング)、秋吉耕佑(au・テルルMotoUP RT)、前田恵助(YAMALUBE RACING TEAM)の10台。

10分間のインターバルを挟んでQ2スタート。Q2でも水野が早々にリーダーボードのトップに立つ。鈴鹿8耐からワークスマシンを手に入れたことが大きいのは間違いないが、今年の水野はフィジカル面、メンタル面でJSB1000クラスでの闘い方に適した乗り方ができるようになった。

高橋巧はQ2半分を過ぎた辺りで1分48秒693をマークしてトップに立つ。そしてその直後に中須賀が1分48秒785に入れて2番手につける。高橋は自信の身体を考慮してか残り半分近くを残してタイムアタックを止めた。

高橋がマークした1分48秒693のタイムがポールポジション。2番グリッドに中須賀、3番グリッドは1分48秒827の水野涼。水野はJSB1000クラスにステップアップしてベストグリッド。4番手に渡辺一樹、1分49秒306。

5番グリッドに野左根航汰、1分49秒311。

6番グリッド:渡辺一馬1分49秒480。

7番グリッド:秋吉耕佑 1分50秒241

8番グリッド:加賀山就臣 1分50秒432

9番グリッド:岩戸亮介 1分50秒641

10番グリッド:前田恵助 1分51秒087

「少しでも前からスタートできれば良いな、と思い集中して3回くらいアタックしました。そのタイムが運良くポールタイムとなって嬉しいです。明日は一番前からスタートできるのが良かったです。重要なのは明日の決勝レースですので気持ちを切り替えて頑張ります。ダウンヒルストレートで転倒しました。ケガの具合は骨の頭の部分が欠けたような状態です。だからそれほど酷くはないと思います。明日の決勝レースは23周と長いのどこまで保つかは走ってみないとわかりません。とりあえず一発のタイムを出すところまでは来ていますので明日は良い勝負がしたいなと思います。」

「昨日からさらに路面温度が上がって路面コンディションが変わり、そのコンディションに合わせられたライダーがポールを取るな、と思っていました。しかし自分はそこに時間がかかってしまいタイヤの美味しいところも使えなかったです。鈴鹿8耐までにやって来たことがもてぎではマッチしていない感じです。昨年まではどのサーキットでも速さを発揮できましたが今年はサーキットによってバラツキがあります。という事はバイクのバランスがどこかおかしいということが明確になってきたので、もてぎのデータを基に明日の決勝レース23周を集中してしっかりと走り切りたいと思います。巧選手はケガをしていてもトップで速いけど、決勝で勝てればチャンピオンシップ上でプレッシャーをかけることができると思います。良いバトルをしてプレッシャーをかけ続けることが自分にできることかな、と思います。」

「今は率直に嬉しい気持ちと悔しい気持ちが混在しています。昨日のART合同走行が総合2位、Q1も2位だったのでポールを目指して取り組んだのですが予選3位という結果は悔しいです。ですが、JSB1000クラスに上がってやっとこの記者会見の場に来られたので一歩ずつですが前に進んでいるのかな、と思います。一発のタイムを出すところまでは来ていますがレースラップを走って上位陣を抜くところまでは至っていないのでそこが自分の課題であります。鈴鹿8耐でマシンが変わったことと、JSB1000というマシンを少しずつ乗りこなせて来ていることが今の自分のタイムアップに繋がっていると思います。明日の決勝レースは巧さん、中須賀さんのグリッドの後ろからスタートしますが、早く二人に追いついて23周の最後まで頑張りたいと思います。」

今日のもてぎは暑かった。明日も本日同様の猛暑が予想される。四輪との併催で路面コンディションはさらに変わる中で、23周の長丁場の決勝レースが行われる。

Photo & text : Toshiyuki KOMAI