トップ2台が拮抗。その差はわずか0.179秒。中須賀克行と浦本修充。

2025/05/23

全日本ロードレース第2戦は北に戦いの舞台を移し宮城県のスポーツランドSUGOで開幕した。初日のART合同走行。トップ2台が拮抗している。中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が1’25.923とただ一人25秒台。しかし2番手に浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)が1’26.102で0.179秒差で迫る。

今大会は開幕戦を圧倒的速さで優勝した水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)が前週の事前テストで両肩骨折の怪我を追い欠場となった。もてぎの良い流れをSUGOで見せてくれると思っていただけに残念だ。

さらに津田拓也(Team SUZUKI CN CHALLENGE)も1’26.437の3番手につける。4番手に名越哲平(SDG Team HARC-PRO. Honda)、5番手に野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)トップ5は0.6秒以内にひしめいている。今年、SUGOは路面を全面張り替えてグリップが向上したとライダー達は口をそろえる。

ウィングレッドが効いてきたと言う中須賀。

「ここSUGOはウィングレッドの効果が出ています。ウィリーを抑えられるのでパワーをかけられますし、電子制御のバランスも自分のイメージと合ってきました。全面補修でグリップも上がりましたし事前テストから良い流れで来ています。昨年(岡本)裕生がマークしたレコードのデータを活用しながら詰めています。

でも今日はテストよりは路面コンディションが良くなくタイヤの荒れも早かったのでタイヤを労わりながらの走行となりました。

明日は今日よりも気温も路面温度も下がりそうですし、もしかしたら雨かもしれません。どんなコンディションでも対応できるように自分もチームもしっかりと準備します。」

前戦もてぎではリズムが合わず苦戦した中須賀。ここSUGOでは強い中須賀が見られそうだ。

開幕戦でいきなり3位表彰台に昇り、その圧倒的なパワーに周囲を驚かせたBMWの浦本。ここSUGOでもその速さは変わらず。

「事前テストよりは進化したと思うのですが、やはり中須賀さんが速いですし、津田さんをはじめ速いライダーはたくさんいるので気を緩めず明日の予選もしっかりと走りたいと思います。」

相変わらず淡々としている浦本。マシンについてどう思っているのか。

「JSBクラスの上位陣はマシンの差で決まる部分も多いと思います。その中でこのBMWのパワーはもの凄いです、特に直線。マシンセットやパーツ云々でどうにかなる部分ではなく素性として速いと思います。もちろん誰が乗っても速いとは思いませんし、自分はこのマシンを操れるだけのスキルを持っていると思います。

現状の課題はアベレージです。中須賀さんとはまだ差があります。そこを詰めて行きたいと思います。」

確かに、今日の中須賀は25秒台に入れつつ、26秒1〜3で周回、対する浦本は26秒3〜5。僅かコンマ2秒の差でも10周すれば2秒差となる。

3番手の津田。前戦もてぎ、実は昨年の鈴鹿8耐のセットをそのままで走った。現状のポジショニングと力を推し量るために。その状態で6位。「一発のタイムもアベレージも決して悪くはなかった。でも周りが想定以上に速くなっていました」

「我々には昨年の鈴鹿8耐のデータしか無いのでその状態で走ってみて自分もチームもバイクを理解するところから始めました。当然合うところ、合わないところが出てきて、その中で解決策も見えてきた。もてぎからセットアップだけでモディファイしたのが今回のSUGOです。その状態で今日のこの結果は進化したとポジティブに捉えています。」

Team SUZUKI CN CHALLENGEの目的はあくまでも鈴鹿8耐。今回もデータ収集を目的に参戦した。鈴鹿8耐で良い結果を残すことはもちろんだが津田はその先を見ている。鈴鹿8耐以降もさらに進化させたマシンで全日本ロードレースの後半戦も参戦してほしい。

水野がいない第2戦だが中須賀、浦本、津田、そして名越、野左根の5台が一歩抜き出ている感がある。明日の予選とレース1でそれぞれがどんな現場にあるのかがわかるだろう。

全日本ロードレース第2戦SUGO ART合同走行の上位10位は以下の通り。

1:#2中須賀 克行1’25.923 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2:#31浦本 修充1’26.102 AutoRace Ube Racing Team
3:#7津田 拓也1’26.437 Team SUZUKI CN CHALLENGE
4:#6名越 哲平1’26.573 SDG Team HARC-PRO. Honda
5:#4野左根 航汰1’26.590 Astemo Honda Dream SI Racing
6:#14日浦 大治朗’27.156 Honda Dream RT SAKURAI HONDA
7:#8岩田 悟1’27.190 Team ATJ
8:#30鈴木 光来1’27.199 Team ATJ
9:#20津田 一磨1’27.243 Team BabyFace
10:#10長島 哲太1’27.542 DUNLOP Racing Team with YAHAGI

Photo & text: Toshiyuki KOMAI