全日本ロードレース第3戦が茨城県筑波サーキットで開催された。今年は2レース制。土曜日に予選とRace1、日曜日にRace2。梅雨入りしたと言うのに真夏を思わせる暑さとった筑波サーキット。予選は尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)が獲得。2番手に高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)、3番手岡崎静夏(JAPAN POST Honda RACING TP)と女性ライダーがフロントローに並んだ。
13時05分、20周の決勝レーススタート!
ホールショットは尾野が奪う。高杉、武中駿(Team Plusone)と続く。そのままオープニングラップは尾野が制し、高杉、武中、岡崎、若松怜(JAPAN POST Honda RACING TP)、中谷健心(MotoUP Racing)と続き、ここまでが先頭集団。
2周目の最終コーナーで尾野がミス、高杉、武中の先行を許す。が、直後の第1ヘアピンで尾野がズバッとインを突いてトップを奪い返す。
「昨日と同じフィーリングで走っていたのですがフロントがスリップしてしまいあわや転倒寸前でした。そこで昨日とはコンディションが違うんだなと察知して後続との差を見ながら走りました」
尾野は後ろにつくのを嫌い先頭を走り続けえる。背後から武中がピタリとつけてプッシュ、8周目の1コーナーでトップを奪う。しかしすかさず尾野が奪い返し2台の先頭争いは続く。
後方ではチームメイト同士の若松と岡崎が接近戦を展開。若松が前に出てやや引き離したと思われたがレースを折り返した10周目以降岡崎がペースを上げる。この暑さの中、11周目に1’00.189のファステストラップをマーク。岡崎自身のベストを塗り替えた。
「(若松)怜君とはほぼ同じラップタイムで周回できますが、ラインが全然違い速いところ・遅いところがハッキリしています。レース中盤はお互いの走りを見ながら引っ張り合っていました」と岡崎。
14周目の1コーナー、尾野を追いかけていた武中が痛恨の転倒、戦列を離れる。これで尾野が単独トップとなる。
2番手争いの若松と岡崎。岡崎は明らかに前を狙っている。
15周目の最終コーナー、若松がゼブラゾーンにまではらみ、さらに1コーナーでもやや膨らんだ。その隙を逃すはずもなく岡崎が2番手に浮上する。抜かれた若松、岡崎の背後にピタリとつけてプレッシャーをかけるがMCコーナー立ち上がりでハイサイド転倒。2台で良いバトルを展開していただけに残念。
そのまま尾野が2位に4秒3もの大差をつけてトップチェッカー!今季初優勝を飾る。
「結果的に久々の独走優勝ができて嬉しいです。開幕戦・アジア選手権と今シーズンの流れが悪かったので、やっと自分らしいレースをすることができました。明日も同じ展開ができるように20周をしっかりと走り切りたいです」
2位には岡崎。自身最高位。
「怜君の転倒を知らず後ろから来ているものだと思って必死でした。後半、ダンロップでフロントから切れ込みそうになり、ちょっと日和りました。1コーナーやダンロップコーナーで止まりきれないことも多く、尾野選手との差がまだまだあると痛感しましたので、もっと走り方を進化させないといけないと思いました」
3位に松島璃空(BREASTO BTRIBE RACING)が入った。
全日本ロードレース第3戦 筑波 決勝レース1 上位10位は以下の通り。
優勝:尾野弘樹 P.MU 7C GALESPEED
2位:岡崎静夏 JAPAN POST Honda Dream TP
3位:松島璃空 BREASTO BTRIBE RACING
4位:高杉奈緒子 TEAM NAOKO KTM
5位:中谷健心 MotoUP Racing
6位:飯高 新悟 KIJIMA KISS RACING Katsudenki
7位:大田隼人 MARUMAEDreamKitakyushuCPARIS
8位:知識隼和 MotoUP Racing
9位:松田基成 Like a Wind・CLUB Y’s
10位:Thanachat PRATUMTONG AstemoSIRacing with Thai Honda
Photo & text:Toshiyuki KOMAI