Snapshot⑧-わずか1ポイントに泣いた2014年シーズン:伊藤勇樹-

2020/05/25

新型コロナウィルスの影響で2020年の開幕を迎えられない全日本ロードレース選手権。感染し亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、感染された方々の早期回復と皆様の健康をお祈り申し上げます。

Racing Heroesでは過去に撮影した写真の中から独断と偏見でセレクト、その時のエピソードと共にランダムに掲載していきます。

2014年アジアロード選手権SS600クラスチャンピオン:Md Zaqhwan Zaidi(ザクワン・ザイディ)170ポイント。第2位:伊藤勇樹169ポイント。その差はたったの1ポイント。

2011年からアジアロード選手権に参戦を開始した伊藤。2012年はシリーズランキング5位。翌2013年は同4位。2014シーズンは開幕戦でいきなり2位、初表彰台を獲得。幸先の良いスタートを切った。迎えた日本ラウンド連戦。オートポリスでは予選14番手に沈んだがレース1で2位表彰台を獲得。藤原克昭(優勝)、小山知良(3位)と日本人が表彰台を独占した。

連戦開催の鈴鹿。ここでポールポジションを獲得する。コンマ4秒の中に7台がひしめく超接近戦。レース1は5位。そしてレース2、混戦を制してアジアロード選手権初優勝を飾る。日本ラウンド終了時にランキング2位につけた。この初優勝で勢いに乗った伊藤は次戦タイ:ブリーラムで2連勝!鈴鹿から3連勝を飾りザクワン・ザイディに対して25ポイントのアドバンテージを築いていた。

最終戦カタール。予選2位の伊藤はレース1で7位と失速。それでもレース1終了時では4ポイント上回っていた。そして迎えたレース2。4ポイント差でゴールすればチャンピオン決定。しかし優勝はザクワン、伊藤は2位。優勝と2位のポイント差は5。僅か1ポイントの差に無念の涙を飲んだ。

2020 年、伊藤はアジアロード選手権:ASB1000クラスに参戦。開幕戦マレーシアで優勝を飾る。私生活でも全日本ロードレースで活躍した白石玲菜さんと結婚。公私共に好調なスタートを切った矢先のコロナ禍。今は我慢だが再開したら伊藤の活躍に期待したい。

Photo & text : Toshiyuki KOMAI