snapshot⑦-高橋巧:2010年史上最年少鈴鹿8耐優勝-

2020/05/22

新型コロナウィルスの影響で2020年の開幕を迎えられない全日本ロードレース選手権。感染し亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、感染された方々の早期回復と皆様の健康をお祈り申し上げます。

Racing Heroesでは過去に撮影した写真の中から独断と偏見でセレクト、その時のエピソードと共にランダムに掲載していきます。

2010年、鈴鹿8耐に新たな記録が生まれた。20歳の高橋巧が最年少優勝を果たした。(1996年芳賀紀行選手の21歳を上回った)2008年にはハルクプロから鈴鹿8耐に初参戦して3位表彰台を獲得。ここで最年少初表彰台記録も樹立していた。2009年にJSB1000クラスへステップアップ。2010年からハルクプロに所属。開幕戦筑波で優勝、続く鈴鹿も2位と好調のスタートを切る。

ランキングトップで臨んだ鈴鹿8耐。ペアを組んだのが清成龍一と中上貴晶。この勢いに乗じて優勝を狙う高橋。中上は決勝レースを走ることなく高橋と清成の2名で8時間を走った。この年は路面温度が65℃超にもなる酷暑。優勝がかかったプレッシャーと酷暑が高橋の体力を奪うが懸命の走りで優勝を果たす。

清成とは2012年にもペアを組んで走るが残念ながら41位。しかし高橋はこの2回の鈴鹿8耐で清成の執拗なまでに勝利にこだわる姿勢に傾倒、2019年の鈴鹿8耐は清成と優勝したかったと悔しがる。(参照:「清成さんのためにも、自分のためにも勝ちたかった」男気を魅せた高橋巧の鈴鹿8耐

今シーズン、念願であった世界の舞台へ闘いの場を移す。WSBK(ワールドスーパーバイク選手権)にフル参戦となったが開幕戦オーストラリアはマシントラブルからまともに走れず。次戦以降に望みを繋ぎたいところだったがコロナウィルスの影響で未だに開催されず。世界で闘う高橋の勇姿を魅せて欲しい。

Photo & text : Toshiyuki KOMAI